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「沿道の応援で不破が見れた時は元気が出ました」 不破聖衣来“調子30~40%”も上りでギアチェンジし区間賞

2022年10月31日 10:05
「沿道の応援で不破が見れた時は元気が出ました」 不破聖衣来“調子30~40%”も上りでギアチェンジし区間賞
5位の拓殖大学、不破聖衣来選手(中央下)は5区区間賞
全日本大学女子駅伝(30日、宮城・仙台、6区間38.1km)

去年の3位より順位を落としたものの、5位で2年連続のシード入りとなった拓殖大学。チームをけん引したのは、エースの不破聖衣来選手(2年)。最長区間9.2kmの5区で3人抜きを見せる2年連続での区間賞。走りを見せた大会後、取材に応じ今回の走りを振り返りました。

「本当に練習は全然思うように積めてなくて、前日も自分の中では納得のいく動きはできなかった。当日も不安はあったけど、楽しむことはいくら調子が悪くてもできることなので、今回は楽しんで走ろうと思ってスタートしました」

今年は1月に右アキレスけん周囲炎を発症で3か月間走れない状態。5月の日本選手権10000mを欠場し、世界選手権出場の目標も絶たれました。9月の日本インカレ10000mでは優勝するも、自分の満足のいく状態までは上がらなかったという不破選手。

「(調子は)1回6割くらいまでいったかなと思えたんですけど、結局スタートに立てた時は30~40%ぐらいだったのかなと思います」

この日は7位でタスキを受けると、7km過ぎの上り坂からギアチェンジ。3人を抜き順位を4位に上げました。

「自分の調子がそんなに良くないのは分かっていたので、普通の人が頑張れる平地を頑張っても追いつけないと思った。他の選手がバテるというか、つらいところで自分が頑張ることで少しでも詰められたらと思ったので、上りはとにかく頑張ろうと思いました」

勝負所でさすがの強さをみせた不破選手は、去年の自らが持つ区間記録(28分00秒)には及ばなかったものの出場選手唯一の29分台となる29分39秒で区間賞を獲得。

「今回はまさか区間賞が取れているとは思っていなくて、それは楽しんで走った結果としてついてきた区間賞。楽しむことが一番大事だなと思いました。去年自分のタイムとか周りからの期待を考えてしまうんですけど、楽しむことを考えると、今の自分に集中して考えられる。今出せる力を出せたと思います」

そして去年の無我夢中で走った時より、今年は周りがよく見えたと言います。

「1区から去年よりいい流れでタスキをつないでくれた。すごいみんなに支えられているなと感じました。沿道の応援で持っているものとか見る余裕があって、拓殖とか不破と書いてあるのが見れた時は元気が出ました」

全日本駅伝は楽しむ力で快走を見せた不破選手。今後に向けては「12月の記録会で10000mの日本記録を目標にしている。今のままだと全然達成できない目標になってしまっているので、ここからしっかり練習を積んでいきたいと思っています」と、目標を挙げています。

【5区(9.2km)の区間記録トップ3】
1位 29分39秒 不破聖衣来(拓殖大)
2位 30分05秒 飛田凜香(立命館大)
3位 30分11秒 永長里緒(大阪学院大)