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新システムで得点力向上へ なでしこ1部昇格を目指すふじざくら山梨 県出身選手も定位置獲得に向け闘志

2025年3月2日 18:00
新システムで得点力向上へ なでしこ1部昇格を目指すふじざくら山梨 県出身選手も定位置獲得に向け闘志
選手たちと 取材した小松千絵アナ
 サッカー女子のなでしこリーグ2部のFCふじざくら山梨は16日、アウェーで今季開幕戦を迎えます。3季ぶりに復帰した指揮官・田口友久監督(32)の下、5人の新戦力を加えたチームの新戦術に迫ります。

■得点力向上へ 前線に3人を置く新システム

 最後まで1部昇格を争った昨季は最終節で首位に敗れ、勝ち点差わずか1で3位に転落。昇格の道が断たれました。

 勝負を分けたのは、2位チームに16点差をつけられた得点力。1試合平均の得点は1.36でした。

田口監督

「(昨季の)得点数を見るとまだまだ足りない。決定力は大きな課題」

 課題克服へ田口監督が取り入れたのが、新システムの3-4-3です。

田口監督

「(昨季の得点の)6~7割を取ったのが、FW山本菜桜美(33、甲府市出身)、FW脇田紗弥(25)、MF辻野友実子(27)。その3人をシンプルに3トップにしてゴールに近づけた方が、ゴールに向かっていける。得点力を上げるために前線に人数を置けるところが(3-4-3の)一番のメリット。今回の新入団選手は全員(GKを除き)DFとボランチだが、(昨季は)4人で守らなければいけなかったところを3人で守れる質にして前線により人数を上げた。攻撃をするために守備を安定させる、それができるからこそ前に高い位置がとれ、前線にも人数を割ける(ようになった)」

 システムの肝となるウイングバックには、DF小鍜治旭選手(22)やMF菅百花主将(32)など、推進力と高い攻撃力を備えた選手を起用します。

菅主将

「前に推進力を持って起点になりつつ、ゲームを動かすことを求められている。スプリントをかけるところなど攻守ともに自分の強みが出せている」

 一方、強固な3バックで異彩を放つのが、日本航空高卒で甲府市出身のDF五味小暖選手(18)。

 本職のボランチとして鍛え上げたキック力とパスセンスを武器に、最後列から攻守に貢献します。

五味選手

「一番後ろのポジションは(試合を)落ち着かせないといけないので、ボールを落ち着かせるところを一番意識している。昨季は1試合スタメン出場できたが、もっと試合に出たい。自分の特長をもっと出せるように日頃の練習から頑張りたい」

■求められる瞬時の判断 ベテランの経験値も生きる

 新たな戦術で攻撃力を高めるチーム。さらなる強さを手にするため、田口監督は選手たちにある「成長」を求めます。

田口監督

「選手が判断できることを大事にしたい。選手が今、何がよくてうまくいっているのか、何ができないからうまくいっていないのかをちゃんと理解できるチームになる方が強い」

菅主将

「相手がどこから来ていて、味方のどこが空いていて、ということを常に周りを見ながら状況判断している。頭はハードに使っている。ピッチの中で戦術を自分たちでいじっているので、成長していると感じる」

 発展途上のチームを背中で引っ張るのが、富士川町出身のベテラン、MF保坂のどか選手(38)。

 けがで約4年間ピッチを離れていましたが、今季はコンディションは良好。

 なでしこ199試合の経験値でチームに安定をもたらします。

保坂選手

「ストロングポイントを出し合って補って、いいところを出したらすごく楽しいサッカーができる。若い選手は動けるので、指示をして声で動かしたい」

 新たなスタイルで新たなシーズンに臨むFCふじざくら山梨。リーグ戦22試合の先に待つ輝かしい未来へ、ふじさくら旋風を巻き起こします。

菅主将

「今季は優勝して皆さんとホームで優勝旗を掲げたい」

田口監督

「『昇格』と『人の成長』、どちらも追えるように、みんなで笑って『いいシーズンだった』と言えるシーズンにしたい」

 取材の中で、選手やスタッフは「(昨季2部で優勝した)岡山湯郷Belleの優勝セレモニーを目の前で見たのが非常に悔しかった」と口をそろえていました。

 昨季7位のヴィアティン三重レディースとの開幕戦は、16日午後1時にキックオフ。

 ホーム開幕戦となる2戦目は、新規参入のVONDS市原FCレディースと対戦。富士吉田市の「富士山の銘水スタジアム」で23日午後1時にキックオフされます。
(「YBSスポーツ&ニュース 山梨スピリッツ」2025年3月2日放送)

最終更新日:2025年3月2日 18:34
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