県内の今年1年の出来事を振り返る「愛媛総決算2024」！初回は「リスタート！えひめ」です。

2024年は愛媛にとって、‟リスタート”の1年となりました。

松山－台北の定期便再開！インバウンドで賑わう

3月。松山と台湾の台北を結ぶ定期路線が、4年ぶりの運航再開！

利用客：
「経由便と比べて直行便はとても利便性が高く感じます。愛媛といえばミカン。ミカンジュースが出る蛇口。そんなイメージがあります。楽しみです」

今年、松山空港発着の国際線はソウル、釜山、台北の3路線となり過去最多の週23便に。

直行便再開後、初めての週末には…

Qどちらから？
女性：
「台湾！」
男女：
「台湾！時間があったら台湾へ来てねー」

県内のあちこちに台湾からの観光客の姿が！

Q愛媛で一番良かったところは？
観光客：
「松山城。景色がとてもよかった」
「道後！私は"坊っちゃん”が好きなんです。とても有名で、夏目漱石」

台湾の皆さんに人気だったのが…

Q愛媛で一番美味しかった食べ物は？
男性：
「ミカン！こんにゃくミカン。こんにゃくとミックスしたみかん！」

女の子：
「おいしい！ミカン」

女の子の手には、ミカン味のお餅とミカンのおもちゃ！皆さん、愛媛のミカンがお気に入りのようでした！

今年8月の県内の外国人宿泊者数は、3万340人と、去年の同じ月と比べて88％増加。コロナ前の2019年と比べても77％増加しています。

‟インバウンド急増”となった今年は、更なるインバウンド獲得に向け…宇和島市ではマダイの養殖場で。石鎚山や内子町の手すき和紙工場など、各地で観光関係者を招いての‟モニターツアー”が活発に行われました。

「この日を待っていた」道後温泉本館が5年半ぶり全館営業再開

さらに弾みをつけたのが、2019年1月から耐震化などを目的に保存修理工事が行われ、工事箇所に応じて部分的に営業を続けていた道後温泉本館。

7月、5年半ぶりに全館での営業を再開しました。見事、一番風呂を勝ち取ったのは前日の夜10時から並んだという大学生の2人。

一番に並んだ大学生2人：
Q先頭に立っている気分は？
「やってやったなという感じ。松山にいる間に道後温泉が再開するという貴重な体験に出会えるのでせっかくなら1番を狙いたかった」

午前6時の刻太鼓とともにお客さんが続々と館内へ。

松山市内から：
「すごい気持ちよかったです。お湯がアツいのでいまでもすごいポカポカして気持ち良い」

東京都から：
「実は5年半前からこの日を待ってた。仕事の休みをわざわざ調整してきょうこの日に何とか。待った甲斐があった、昔を思い出した」

道後温泉事務所によると、今年8月以降3か月間の本館の入浴者数はおよそ16万人と、部分営業を行っていた去年の同じ時期の2倍となったということです。

道後温泉事務所 三神正裕さん：
「ゆっくり道後温泉楽しんでもらっているのを見て僕らもすごく嬉しく思っています。本当に道後温泉がたくさんの方に愛され続けているなっていうのが実感できました」

5年半ぶりの再開で、おもてなしもリスタート！個室でゆったりと過ごしたいというニーズに応えようと、本館3階には新たに貸し切り休憩室として「しらさぎの間」と「飛翔の間」が登場しました。

道後商店街でも…

絣屋本店 石田匡暁社長：
「(本館が）ついにオープンということで、それを祝して本館はラガー。飛鳥乃湯泉はW―IPA椿の湯は地元の人が入るから黒ビール」

inaho 栗原正行代表：
「これが世界初、ポン菓子を練りこんだチーズケーキです！」

穴井記者：
「ん～フルーティな甘みが口いっぱいに広がってすっきりとした味わいです」

水口酒造 水口皓介専務取締役：
「（商品の）図柄を見ながら道後温泉への想いを馳せていただいたり、リニューアルされることによってそれを盛り立てていきたい」

本館のリスタートをさらなる飛翔につなげようと新商品、新サービスに乗り出す動きが活発化。再開への期待は、道後からおよそ400キロ離れた滋賀県からも。

蛯谷工芸3代目 蛯谷亮太さん：
「素材が全部紙なんですよ。紙の上から和紙を張ってるんで、手にも優しいですし、お着物とか引っかからないように作ってるんです」

本館の休憩室などで浴衣やタオルを入れるための「乱れ籠」を手掛けた蛯谷さん。一般的な「一閑張」で使う竹の代わりに紙ひもを使って形を作る、「近江一閑張」の職人です。

蛯谷さん：
「お～！！すご！すご～！は～歴史の重さを感じますね。7月以降来よう、温泉入りにこよ」

その言葉通り、納品からおよそ1か月後に、妻・あかりさんと再び道後を訪れた蛯谷さん。

蛯谷さん：
「すげ～」
妻・あかりさん：
「これはすごいな、ありがたいね本当に」
「え～使われてるよ。大丈夫？ 曲がってたりせえへん？」

蛯谷さん：
「歴史の一部にさしてもらってるという思いがどんどん乗っかってきて、言葉が出ない。技を磨いて、よりいい物を作れるように精進します！」
妻・あかりさん：
「頑張ってください！」

再開を機に決意を新たにした人は、他にも。4か月前、本館で新人スタッフとして働き始めた道後育ちの尾﨑萌音さんです。

尾崎さん：
「道後温泉の本館がオープンというタイミングもあったのでぜひ一番の目玉道後の目玉となる場所で働きたいと思って」

地元・道後の誇りでもある本館でスタッフとして夢のデビューを果たして4か月。

先月28日。尾﨑さん、変わらず、持ち場の売店で接客していました。

尾﨑さん：
「いろんな国から来て下さるので、 そういう時は多言語のメニュー 表とかを使って指さしてやったりとか、いろいろ工夫しながらやってます」

「最近発見したのが、韓国からのお客様は元々多かったんですけど、すごいお風呂上りの牛乳を求めて売店来て下さる方が多くて。日本人が腰に手当てて飲むじゃないですか、あれをしてる日本からのお客さんを見てこうやって飲んでたりとか。（2025年は）自分から道後の魅力をお伝えできるようなスタッフになれたらなと思います」

71年ぶり！新JR松山駅が開業、駅周辺では課題も

最後は71年ぶりに‟新装開業”した、県都・松山の陸の玄関口JR松山駅です。

グランドオープンの前日、最終列車の出発まで残り1時間を切った松山駅には…

西条市から：
「きょうはお別れを言いにそしてありがとうを言いに来ました」

男性：
「さみしいですね、さみしいけど次の希望がありますけどね」

香川県から：
「初めて社会人として四国に来たのが松山で本当に思い出深い駅で最後の…ちょっと感動しすぎて言葉が出ない」

たくさんの人が八幡浜行きの最終列車を見送りに来ていました。

「3、2、1…消灯！」（拍手）
「ありがとー！さようならー！！」

松山市の女性：
「松山駅が好きだったから長い歴史が終わったから悲しいなと思って」

新装開店で、駅の出入り口は東西2か所に…高架下の商業エリア「だんだん通り」には松山で人気のコーヒー専門店や愛媛の名物グルメが味わえる飲食店などが軒を連ねます。

松山市内から：
「こんだけ活気があったら嬉しくなる。色々な県や国からたくさんの人が来てくれて賑わったらいいなと思う」

松山市内から：
「いつもだったら下を通っていたので電車が見えなかったが、（家の）窓から見えたので来てみようかなと」

松山市内から：
「すごい楽しみで子どもと来た。一生に一度あるかないかどうかなのですごい楽しみ」

この日、30℃目前まで気温が上がった松山。オープンの熱気も相まって冷たい商品の売れ行きも上々でした。

ちゅうちゅうSHOP 田那部大さん：
「僕たちが思っていたより松山の人が来てくれてすごくありがたいことだと思う。県外から来てくれた人ももちろんだが、地元の人にも来てもらえるような店にしたい」

JR四国によると、グランドオープン後の10月、駅の1日あたりの利用者数は去年の同じ時期と比べておよそ400人増加したとみられるということです。

一方で、駅周辺に目を向けると…

杉本記者：
「松山駅の西側には、あちらにアリーナを含む多目的施設と、こちら側にはタクシーのロータリーを含む広場が整備される予定ですが、 今はまだこのような状況です」

アリーナや集約型の公共交通ターミナル「バスタ」の建設などが予定されていますが、実現に向けて現在協議が進められている状況。駅周辺の再開発がこれからの課題です。

来年は脱皮をする習性から「変化し、成長していく年」とされるへび年です。希望いっぱいにリスタートした愛媛が更に、輝く年になりますように。