DJから俳優へ転身 立山町出身の男性 ベネチア国際映画祭に主演作品ノミネート
世界三大映画祭の一つ、ベネチア国際映画祭に立山町出身の俳優が主演する作品がノミネートされています。
受賞作の発表を前に、今の気持ちとふるさとへの思いを聞きました。
坂城日日さん
「(映画祭では)僕が今まで体験したことが無いような世界が間違いなく広がっていると思いますし」
立山町出身の俳優坂城日日さん(43)。
主演した作品が今年のベネチア国際映画祭で、仮想現実など先端技術を駆使した作品が選ばれるXR部門にノミネートされました。
主演したのは心霊現象をもとにしたホラー作品。
デジタルと映像、ゲームが融合されています。
通常の映画とは違い360度カメラで撮影されたということです。
坂城さん
「僕の視点で動いていくというのがあって、自分と役との境目が分かりにくくなっている部分は最初は結構ありましたね」
俳優になる前、坂城さんは北陸を拠点にDJとして音楽活動をしていました。
転機は30代で訪れたといいます。
県内で撮影された映画「春を背負って」にエキストラとして参加した経験が俳優を志すきっかけになりました。
坂城さん
「木村監督が現場のひとつひとつを作り上げる瞬間に一切妥協をしていない姿を見て、僕の中で新しい扉が開いたという感覚で」
その後、一念発起し上京したのは7年前、35歳の時。
数々のオーディションを受け、地道に映画出演のチャンスを掴む一方、朗読イベントを行うなど、表現の幅を広げてきました。
坂城さん
「人生1度しかないって いうのがあったので自分の可能性を信じてみたいっていう(気持ちが)勝って」
主演作がノミネートされた喜びを胸に、坂城さんはふるさとや表現活動への思いを新たにしています。
坂城さん
「富山という故郷があって、帰って来られる場所があってというのが、僕の心の支えにもなっていますし、僕の最終的な目標は、僕自身の人生を通じて、誰かの一歩を踏み出すような勇気のきっかけになれたらいい」
坂城さんは4日、イタリアに向け出発しました。
ベネチア国際映画祭での受賞作の発表は日本時間の8日です。吉報を待ちたいと思います。