「学生の留学、2025年に年間11万人必要」経団連・渡邉光一郎副会長
経団連で教育・大学改革推進委員長を務める渡邉光一郎副会長がインタビューに答えました。2025年には留学する日本人が、年間11万人程度となる必要があるとの考えを示しました。
――経団連で大学などと連携して人材育成に取り組んでいる渡邉副会長は、教育改革の方向性について次のように述べました。
経団連・渡邉光一郎副会長「子どもたちが社会人になる時というのは、おそらく超スマート社会と言われている“Society5.0時代”に生きる。あるいはこれを支える人材ということになるわけですね。ですからそういった視点での教育ということが非常に重要になると」
――渡邉副会長は“デジタルは理系の学生向け”と分けず、文理融合を進め、どの学生も情報科学などデジタル社会に対応できる学びの強化が必要だとの考えを示しました。また、暗記型ではなく深い思考を身につけることも重視しています。
渡邉光一郎副会長「“課題解決型”というような言い方をするんですけれど、そういう人材に向かわせることが重要だと思います。『物を覚える』というようなことはどんどんAIに変わってしまいますから、 ただ覚えて知識があるだけでは将来を生き抜いていけないだろうと」
――学生のうちから、社会の課題について議論し、解決策を探る学びが必要としてます。一方、グローバル人材育成の遅れに、危機感を示しました。
渡邉光一郎副会長「(コロナ禍で)留学そのものが成り立たなくなってしまっている 。これはグローバル人材をこれから育成していく上で大きな問題だと思います。『大阪・関西万博』のような一つのターゲットを見て、国の政策として、これに向かって留学生をこれから何人育てていくんだというのは、これは政府としての大方針が必要と思います」
――コロナ禍前の年間11万人の留学を目指すべきとしています。また、企業の変化も重要だとしています。
渡邉光一郎副会長「せっかく海外留学行きました。ジョブ型志向が強くなりました。(日本に)帰ってくる場所がありません!したがって海外の企業に就職します。これは非常にもったいないと思うんですね。せっかくグローバル人材としての素養が高まっているのに、日本の企業に戻ってこれないということでは(いけない)」
――さらに、日本の大学には、たくさんの優れた技術の種が埋もれているとして、産業界と大学の連携を深め、社会実装化につなげていきたいと意欲を示しました。