TPP延長戦“大詰め”最大の懸案は「薬」
アメリカのアトランタで開かれているTPP(=環太平洋経済連携協定)の閣僚会合は、異例の“延長戦”に入っている。交渉決着に向け、最大の懸案となっているのが「薬」の問題。各国の思惑がぶつかりあっている。交渉は今、どうなっているのか、現地から原聡子記者が伝える。
延長戦1日目の朝を迎えた交渉会場前。こちらでは、今も断続的に閣僚らが会合を行っている。最大の懸案である新薬の保護期間についても調整が行われている。
鍵を握るのは、10年を主張するアメリカのフロマン代表と5年を主張するオーストラリアのロブ大臣。お互いの主張は少しずつ狭まっているようだが、妥結に至ったという情報はまだ入っていない。
5年と10年と溝は深いが、甘利大臣は「まったくどうにもならないと思ったら延長はしない、わずかでも期待を持っても良いと思う」と述べていて、きょう一日の進展が期待されている。
交渉関係者は、この分野で何とか折り合いが付けば、一気に機運が高まり、バターなど乳製品の関税の扱いや、さらには、まったく交渉の進んでいない日米間のコメの関税の扱いなど、ほかの残された課題で各国が最後の譲歩案を示し、念願の合意を達成できるのではと考えている。
TPPが妥結し、「アトランタ合意」となるのか、まさにきょう一日が正念場となっている。