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仕事、イクメン、三重県知事、語る 2/5

2016年5月12日 19:57
仕事、イクメン、三重県知事、語る 2/5

 鈴木知事といえば少子化対策、子育て支援などユニークな政策で知られているが、通産省時代は、自分の名刺に「年中無休24時間体制」と印刷して配っていたという。その鈴木氏だが、4年前に長男が誕生したときには、3.5日の育児休暇を取っている。


■「知事の育休取得」批判もあった

――育児休暇を取るにあたり、周囲からの反発はなかった?

 たとえば秘書課に、「中小企業の経営者は育休なんかとられへんぞ」「危機管理は大丈夫か」といったメールが来るなど、批判の声もありました。広島県の湯崎知事についで、育休取得は都道府県知事で2人目でしたから、批判は柔らかい部分もあったかと思います。

――逆に、良い反応はありましたか?

 特に育休をとるにあたって、三重県庁の女性職員など女性のみなさんから「ぜひ、知事とってくださいよ」という声はいただきました。また、自分自身として、子育てに向かい合う姿勢ができました。妻は、オリンピックに出るなど、まれな経験をさせていただいています。その妻にもずっと輝き続けてほしいですから、とって良かったと個人的にも思いますし、周りの反響も良かったと思います。


■“年中無休24時間”のままでいいのか

――知事になる前の鈴木さんを知っていると、「育休なんてとんでもない」というタイプに見えるのですが、いつから、どうして変わったのでしょうか?

 文京区長の成澤さんが、最初に育休をとった時には、ブログで批判してしまったのですが、それは若気の至りだったかなと。妻が妊娠している時に、子育ては最初が肝心だと思ったので、その若気の至りを改めて、しっかり子育てに向き合っていこうと思えるようになりました。

 また、妻のつわりなど大変な状況を見ながら、自分は“年中無休24時間”のままでいいのかと、そういう思いもありました。ただ、実際に知事ですから、年中無休という体制は当然です。育児に向き合う時間をしっかり確保するということが重要だと思いました。

――4月に娘さんが生まれたそうですが、今回も育児休暇をとられる予定ですか?

 サミットが終わってから5日間ぐらい取りたいと思っています。長男が、この4月から幼稚園に行き始めましたので、幼稚園のバスに送っていってから、朝30分遅れて出勤しています。いま妻は、授乳で3時間おきに起きていますので、バスの送り迎えは大変です。そこをカバーさせてもらっています。


■少子化対策は「男性も変わる」必要がある

――三重県は男性の育児休暇取得率は、全国でもかなり高いのですが、何をされたのでしょう。

 全事業所でいきますと、平成26年度で育児休暇の取得率は全国平均が2.3%で、三重県の事業所は6.3%で約3倍です。県庁職員は16%ですのでかなり高い数値です。確かに率先垂範もやりましたけど、一番重要だったのは、男性の育休やワークライフバランスはかけ声倒れになって、現場で浸透するためのツールがないんですね。そこで育児参画シートをつくったというのが一番大きかったと思います。

――三重県が全国で初めて行った男性の不妊治療の助成も増額されたそうですね。

 そうです。やっぱり不妊の原因の約48%が男性にあることを多くの人たちが知らないので、まずそれを知ってほしいと。そして、男性も当事者になってほしい。今までの少子化対策というのは、「女性を応援する」や「女性に変わってもらう」というのが多かったので、男性が変わらなければ、少子化対策は進まないと思いました。そして今回、国の予算で認めてもらったので、先鞭(せんべん)をつけた成果はあったかなと思います。

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