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トリンプ 男性目線のブランド戦略とは 3

2016年11月10日 14:14
トリンプ 男性目線のブランド戦略とは 3

 大手下着メーカーの「トリンプ・インターナショナル・ジャパン」ブランドマーケティング部の横尾祐介マネージャーに聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは「女性ユーザーを知るには、いい意味でミーハーになる」。その真意とは?


■ヒントは“業界の外”にある

――横尾さんはブランドマネージャーとして1年から1年半先のことを考えてらっしゃるっていうことなんですが、そのために心がけてることは何かありますか。

 やっぱり先々の事を見越していくというのは、なかなか難しくて。特に、この下着業界の中で、ブラジャーや下着のことだけ考えていると、なかなか先のことは見えてきません。というのも、やはり女性も私たちもそうですが、日々、生活しているわけなので、いかに下着以外の部分の業界とかライフスタイルみたいなところ、しかもターゲットの女性の―それを僕自身も「体験したい」「感じていけるのか」っていうところを結構積極的にやっています。

――それは、つまりどういうことですか。

 今は、こういうのが流行しているというような女性の中の情報とかメモしたり、きっちり自分で知っていき、「知っている」だけじゃなくて「やってみる」と。


■“女性の気持ち”を体験してみる

――今まで体験したものはどういったものがありますか。

 ちょっと前になりますけど、例えばスムージーが流行した時には、よしスムージーを作ろうと。また、例えば自分で作るお弁当は、きちんと“曲げわっぱ”の弁当箱を買ってきて、それに詰めてみたりとか。

 あるいは、女性はネイルなどもやっているから「ネイルを整えるとはどんな気持ちなんだろう」とやってみると、ただ、それがきれいだからとか健康に良いからだけじゃなくて、自分自身の気持ちとして、意外にしっかり自分でケアしている感というのが満足感なんだなとか。

 あと、グリーンスムージーでも飲んでるところとか、写真で撮ってSNSにあげると、これをやっている自分に満足してる感とか、いろいろ感じられることがあって、実際に体験してみるのと、知ってるのだけは全然違うので、直接それをやっています。

――意外ですね。スムージーとかネイルって、直結して下着にはつながらないと思うんですけど、そこからヒントを得たりすることもありますか。

 ありますね。やっぱり、その時間とかシーンをどう楽しんでいくのか、そこでどういう満足感を得るのかみたいなところっていうのは、当然下着にも通じてくるところがあると思っています。このシーンのところでこういう下着を使ってみたらどうなんだとか、下着において満足感というのは今のライフスタイルの中でどこにあるのかとか、考えるきっかけになるので、結構面白いです。