廃棄食材使い…貧困解消も?“缶詰の秘密”とは
地球にいいこと、人にいいことを紹介していく「Good For the Planet」。7日は、廃棄されるはずだった食材を使って作られている缶詰についてです。
「ニク」「サカナ」の2種類があり、フードロスだけでなく貧困解消のカギも握っているという“缶詰の秘密”を取材しました。
1日、岡山県倉敷市のゴボウ農家を訪れていた三好千尋さん。
三好千尋さん
「3~4か月に1回、10キロとか20キロ単位で…」
ゴボウ農家 三宅晴夫さん
「規格外のもの(ゴボウ)を渡しています」
三好さんが求めていたのは、「形が悪い」などで出荷できず、廃棄されてしまうゴボウです。
ゴボウ農家 三宅晴夫さん
「途中で(長さが)止まっているものや傷がついているもの」
──食べることに影響ない?
ゴボウ農家 三宅晴夫さん
「全然、何の影響もないですね。おいしいです」
こちらでは、食べられるのに捨てられてしまうものなど、規格外のゴボウが年間で100キロほど出ているといいます。
ゴボウ農家 三宅晴夫さん
「捨てなくていいので使ってもらえるのはうれしい」
三好さんが“廃棄食材”を集めていたわけは…
三好千尋さん
「フードロスの食材を使って缶詰を作りました」
「コノヒトカン」と名付けられた缶詰。ゴボウだけでなく…
“廃棄食材”で缶詰を作る三好千尋さん
「魚のアラなんですけど、皮がいっぱいついている部分とか骨がたくさんある部分」
魚や肉を加工する際に出た余りの部分など、約6種類の廃棄食材を使い長期保存ができる缶詰にしているのです。
本業はネイリストの三好さんが、フードロスに関心を持ったきっかけは新型コロナウイルスでした。
“廃棄食材”で缶詰を作る三好千尋さん
「岡山県にも緊急事態宣言が出て、いろんな食材が廃棄されているのを新聞で目にした」
当時、飲食店などの客が激減する中、行き場を失い捨てられる食材の活用を思いついたといいます。
“廃棄食材”で缶詰を作る三好千尋さん
「食材が需要のある人に届かないかなと思った」
県内の農家や缶詰工場などに声をかけ協力者を募り、「コノヒトカン」ができました。
作られた缶詰は、子供食堂や能登半島地震の被災地にも届けられています。
“廃棄食材”で缶詰を作る三好千尋さん
「ご飯を食べられなくて困っている人が多くいる。フードロスと貧困問題をうまく形にできないかと思った」
「(缶詰が)フードロスや貧困問題を他人事じゃなくて自分事として考えるきっかけになれたらいい」
(6月7日放送『news zero』より)