九州にある「備蓄米」の倉庫は空調で管理 コメの価格は1年前の2倍近くに 割安の「カルローズ米」の味は 福岡
米袋が山積みになっています。19日、特別に取材が許された、九州にある「備蓄米」の倉庫です。コメの価格高騰を受け、政府が先週、備蓄米の放出を決める一方、安く手に入る輸入米も注目されています。
■吉村史織アナウンサー
「こちらの倉庫には、各地から集められた備蓄米が保管されていて、この一角に高く積み上げられています。」
九州にある、政府の備蓄米の倉庫です。詳しい所在地や、管理している会社の情報などを伏せる条件で、19日、取材が許されました。倉庫内には空調や室温計が備えてあり、温度や湿度の管理がしっかり行われているようでした。
政府は、凶作や災害でコメの供給量が大幅に減る場合に備え、こうした全国の倉庫に100万トンのコメを備蓄しています。
先週、農水省はこの備蓄米のうち、去年生産されたコメを中心に、おととしのコメも加えた21万トンを3月に放出すると発表しました。価格高騰を抑制するための緊急措置です。
農水省が18日に発表した、全国のスーパーでのコメの平均価格は、去年の同じ時期と比べておよそ1.9倍でした。5キロ=およそ3800円で、6週連続の値上がりとなりました。
■元木寛人アナウンサー
「こちらのコメ売り場では、一家族につき1袋と数量制限の知らせが掲示されています。」
福岡市博多区の店ではコメの価格高騰を受け、購入制限が行われていました。売り場をよく見ると、国産米のほかにアメリカ産の「カルローズ米」も置かれていました。コメ不足を予想して、去年3月から店頭に並べているということです。
こちらの店では、国産のコメが5キロおよそ4000円で販売されているのに対し、カルローズ米は10キロおよそ6000円で、同じ10キロで換算した場合、カルローズ米のほうが2000円安いことになります。
■ミスターマックス Select 美野島店・栗原健一さん
「(国産米より)2~3割ほど安い値段で販売できています。国産米と比べて割安になりますので、手に取られるお客様は増えてきています。」
■買い物客
「すごい。安いですね。味さえ良かったら使ってみたいと思います。」
注目されているというカルローズ米。国産のコメと比較してみると、粒が細長く見えます。その味は。
■元木アナウンサー
「香りは日本のコメとそんなに変わらず、いい香りがします。食感は少し硬めですね。 べたつきが少なくてパクパク食べられる、そんな印象です。噛めば噛むほど甘みも感じます。」
取材した店によりますと、カルローズ米はさっぱりとして味がしみこみやすいため、カレーやどんぶりものとの相性がいいということです。
日本人の主食であり、日々の生活に欠かせないコメ。政府が放出する備蓄米が店頭に並ぶのは、3月末から4月にかけての見通しです。