香港行政長官選挙 民主化デモを抑え込んだ李家超氏が当選
香港で8日、政府トップの行政長官を選ぶ選挙が行われ、唯一の候補者で、かつて警察当局を指揮して民主派のデモを抑え込んだ李家超氏が当選しました。
今回の選挙に立候補したのは、中国政府が支持しているとされる警察出身の李家超氏だけで、投票の結果、99%以上の得票率で次期行政長官に決まりました。
李家超氏「内外からの脅威や破壊に対して、香港社会の安定を保障し、国家(中国)の発展の利益を守る」
李氏は、2019年の反政府デモの際に警察を指揮して民主活動家らを次々と逮捕した「強硬派」として知られ、当選後は民主派への取り締まりをさらに強化する方針を示しています。
行政長官選挙は、一般市民に投票権はなく、親中派がほぼ独占しているおよそ1500人の選挙委員の投票で決まるため、市民からは「形だけの選挙」だと批判の声があがっています。
市民「自分で投票できないから無関心です。候補者も1人しかいない」「事前に指定された人が当選するのだから、これは選挙ではない」
李氏は香港が中国に返還されて25年の節目となる7月1日に就任する予定で、中国政府で香港政策を担当する国務院香港・マカオ事務弁公室は、「香港が停滞から脱却し、飛躍する推進力となる」と歓迎のコメントを発表しています。