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80h超経過…「イスラム国」公式発表なし

2015年1月24日 0:34

 イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループがジャーナリストら日本人2人を人質に取っている事件で、2人がシリアに入国した検問所があるトルコ南部のキリスから天野英明記者が伝える。

 日本政府が映像を確認してから既に80時間以上が過ぎているが、「イスラム国」がこれまでに公式といえる形で何らかの発表をしたという確認は取れていない。

 「イスラム国」は、これまでにも外国人人質の拘束事件を繰り返してきたが、実は今回のように交渉期限を区切った前例はない。彼らが設けた72時間という期限も、実際、いつを起点とするのか明確にしていないし、今回は日本政府に対応をせかすという目的で期限を設定した可能性もある。

 また、「イスラム国」側が、何らかの発表をするタイミングをうかがっているのではないかという見方もできる。彼らは自分たちの事件が大きく報じられ、宣伝効果が高まることを期待している組織といえる。世界的に多くのメディアで取り上げられる最も効果的なタイミングはいつなのか探っているのかもしれない。

 一方、23日は金曜日で、イスラム教徒にとって大事な金曜礼拝の日。敬虔(けいけん)なイスラム教徒は特に気分が高揚するので、「イスラム国」側がこの金曜日中に何らかの動きを見せるという可能性も否定できない。

 交渉にあたっては、トルコ政府の動きがカギになるという見方もある。トルコは去年、「イスラム国」との交渉でトルコ人人質の解放に成功している。つまり、トルコは「イスラム国」との交渉チャンネルを持っているといえる。

 トルコのエルドアン大統領も日本に協力する姿勢を見せていて、トルコ政府が既に水面下で動いている可能性もある。

 いずれにしても、今後の交渉の行方、そして「イスラム国」の動きは、予断を許さない状況が続く。