ガザ住民に退避警告 “許可を出すまで戻ることはできない” イスラエル軍による地上侵攻か…緊張高まる
イスラエル軍は、イスラム組織「ハマス」が実効支配するガザの住民に直ちに退避するよう警告を出しました。近くイスラエル軍によるガザへの地上侵攻が始まる可能性が高まっています。
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パレスチナ自治区ガザ。イスラエル軍は12日もイスラム組織「ハマス」が実効支配するガザ地区に大規模な空爆を続けました。イスラエル側はハマスの特殊部隊などを標的にしたとしていますが、民間人が犠牲になっています。
ガザの住民
「お母さん、お母さん、がれきの下で死んでしまった」
パレスチナ保健省によると、ガザ地区の死者はこれまでに1537人。一方、ハマスによる襲撃やロケット弾攻撃などによるイスラエル側の死者は、イスラエル軍によると1300人にのぼっています。
中でも、7日にハマスが襲撃した野外音楽フェスティバルでは多くの犠牲者を出しました。人質になった人も多数出ています。
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イスラエル・ベルシェバで12日、NNNの取材班は、人質になっているとみられる女性の友人に話を聞くことができました。
“人質”となった女性の友人
「朝の9時ごろ、彼女は『銃撃があった』と両親に電話してきました。それ以来、連絡はありません」
その後、ハマスとみられる人物が撮影した彼女の動画をSNSで見つけたといいます。
“人質”となった女性の友人
「SNSで彼女を撮影した人物が投稿した動画を見つけたんです。彼女は怖がっていて、命乞いをしていました」
動画の中で、ハマスとみられる人物が危害を加えることを示唆する言葉を彼女に投げかけていました。
“人質”となった女性の友人
「彼女が生きていてケガもなく、安全に戻ってくることを祈っています」
さらに私たちは、ハマスの襲撃を受けた地域に娘一家が暮らしているというシャレブさんからも話を聞くことができました。
当時、娘と一緒に、海外に旅行に出ていたため無事だったということです。しかし…。
シャレブさん
「町の多くの家族が虐殺されました。子どもなど家族全員が中にいるまま焼かれた家もありました。彼ら(ハマス)はケダモノです。人間ではありません」
これまでは穏健な立場でしたが、怒りの感情がこみ上げていると語ります。
シャレブさん
「今後パレスチナ人とどうやってつきあうのか、とても難しい質問です。わからない、わからないんです。怒りの感情があふれています」
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こうした中、イスラエル軍は13日、「ガザ地区で大規模な作戦を行う」と表明。ガザの中心地であるガザ・シティー全ての住民は直ちに退避するよう警告し、「イスラエル軍が次の許可を出すまで、住民はガザに戻ることはできない」としています。近くイスラエル軍によるガザへの地上侵攻が始まる可能性が高まっています。