「世紀の天体ショー」皆既日食 アメリカ横断【中継】
日本時間の9日未明にアメリカ大陸で、「世紀の天体ショー」と言われる太陽が月に完全に隠される皆既日食が観測されたそうなんです。どんな様子だったのか、現地から中継で伝えてもらいます。
私は今、アメリカ北東部のバーモント州にいます。
ーーそのサングラスは何ですか?
実はこれ「日食専用グラス」と言って皆既日食を見るときにかけるものなんです。ちょっと薄曇りの中だったのですが、ここにいる皆さんはこの日食専用グラスをかけて興奮した様子で皆既日食を観測していました。
「今、だんだん辺りが暗くなって、肌寒くなりました。太陽が月によって隠されて完全に真っ暗になりました。集まった人からは歓声があがっています。太陽が隠れると気温が急に下がった感覚です」
皆既日食はおよそ3分間続き、周辺が幻想的な雰囲気に包まれた後、太陽が姿を見せ、再び辺り一面が明るくなりました。
ーー太陽がいきなり隠れて夜みたいになるとは、まさに「世紀の天体ショー」ですね。アメリカではどれぐらいの範囲で見られたんですか?
今回の皆既日食が観測されたのは、メキシコからアメリカ、カナダ南東部にかけての広い範囲です。こちらの帯に沿って、月の影が北米大陸をおよそ1時間かけて横断していったんですね。
この皆既日食はアメリカで、かなりの盛り上がりを見せていて、ニューヨーク・タイムズが報じた「ホテルチェーンの宿泊価格」を表した地図では、皆既日食が観測される地域で価格が2倍以上に跳ね上がっているんです。中には、普段は95ドルの部屋が949ドルと、およそ10倍に高騰したケースもあるということなんです。
ーー混乱などはなかった?
ナイアガラの滝があるカナダのオンタリオ州の一部は、100万人以上の観光客が訪れる可能性があるとして非常事態を宣言し、道路の渋滞への注意やガソリン・食料の確保を呼びかけていました。
私がいるバーモント州も朝から道路はところどころで渋滞していて、交通の遅れを注意するように呼びかける電子掲示板があちこちに設置されていました。
ーー日本でも皆既日食が見られる機会はあるのでしょうか?
日本で次に観測できるのは、「2035年9月2日」なんです。北陸から関東地方の北部で見られますので、11年後には日本の多くの人も「世紀の天体ショー」を楽しめそうですね。