【解説】「梅雨」今年は長引く? 低気圧で不調…自律神経を整える方法 “腸内環境”も関係が
8日、関東甲信地方が梅雨入りしました。心も体も不調になりやすいこの時期をどのように乗り切ればよいのでしょうか。
●今年の梅雨は長いかも?
●梅雨に不調…1位は
●原因は気圧の変化
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
関東甲信は平年よりも1日遅く、去年よりも2日遅い梅雨入りとなりました。
梅雨明けは、平年は7月19日ごろで、去年は7月23日でした。平年並みでも、40日以上続くことになります。しかも、今年は梅雨が長引くとされるエルニーニョ現象が発生しこれより、さらに長くなる可能性もあるそうです。
なんとなく気分もどんよりしてしまう梅雨のシーズンですが、体調を崩す人も多くなります。梅雨の時期の不調について、健康に関するアプリを提供するヘルスケアテクノロジーズが、全国の20代から60代の約1000人を対象に調査を実施しました。
最も悩んでいる症状を挙げてもらったところ、次のようになりました。
梅雨時期の不調(ヘルスケアテクノロジーズ「HELPO」調べ)
1位「頭痛」19.3%
2位「体の疲れ・けん怠感」11.6%
3位「気分の落ち込み・やる気が出ない」9.9%
4位「腰痛」5.1%
5位「肩こり」4.5%
梅雨の時期に「普段より頭痛になる頻度が増加する」と答えた人は、59.5%いました。「1週間のうち何日程度か」という問いには、「4日以上」と答えた人が35.6%で、中には「毎日」という人も10.3%いました。
頭痛が生活に支障をきたしているという人も多く、「丸1日何もできなかったことがある」(55.5%)、「予定をキャンセルしたことがある」(57.8%)と答えた人はそれぞれ6割近くいました。
なぜ梅雨になると体調が悪くなるのか、「気象病」に詳しいせたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長に聞きました。
特に大きく関係しているのは、梅雨前線の停滞に伴う低気圧です。気圧が低くなると耳の奥にある内耳に影響して、その異変が脳を経由し自律神経に伝わるとさまざまな不調があらわれるというメカニズムだということです。
原因が気圧ということで、例えば、台風が近づくと気圧が低下して不調を訴える人が増えるそうです。梅雨の体調不良にどう立ち向かえばいいのか、対策も聞きました。
●耳マッサージ
両耳を5秒、強めにゆっくりと引っ張って離し、さらにつかんで回します。これだけでも、少しすっきりします。
●湿度の調節
不調の原因は、気圧以外にもあります。蒸し暑いと汗がうまく蒸発せず呼吸もしづらくなり、自律神経が乱れやすくなります。エアコンの除湿機能をうまく使って快適な空間を保つことで、楽になる場合もあるということです。湿度の目安は50~60%です。
●腸内環境を整える
食事も自律神経に関わります。発酵食品や繊維質などを多く摂取するのがよいです。飲み物は胃腸に負担がかからない「常温」がよいそうです。
●ストレスをなくす
意識せずともストレスがたまっている場合もあります。自分にとって負荷になっていると思えるものは、勇気を出して手放してみるのも1つだといいます。
そして、心の部分については、「この頭痛は自分のせいじゃない、気圧のせいだ」と思うことも大切だということです。
「頭痛ーる」という便利なウェブサイトやスマートフォンのアプリもあります。
場所・時間ごとの気圧の変化を見ることができます。頭痛に注意するタイミングが一目でわかるようになっていて、例えば9日は東京、仙台などで「警戒」となっています。
気圧の変化による体調不良が起こりやすい時間帯をあらかじめ確認しておくことで、薬を用意しておいたり、予定を組み直したりと対策することができます。
(2023年6月9日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)