【全文】ロシアが千島列島でミサイルシステム配備「注視する」 官房長官会見(12/6午後)
松野官房長官は、6日午後の会見で、ロシアが千島列島の幌筵島で、沿岸ミサイルシステムを配備したことを受け、「ロシア軍の動向を注視していく」と述べました。
<会見トピックス>
▽米国のEV購入優遇策の見直し
▽北海道の障害者施設での虐待
▽露・沿岸ミサイルシステム配備
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
冒頭発言はございません。
――アメリカとEUは5日、貿易技術評議会を開き海外メーカーの排除が懸念されている米国のEV購入優遇策の見直しで一致しました。バイデン米大統領が1日、フランスのマクロン大統領との共同会見で優遇措置を修正する意向を示したことを踏まえたものですが、優遇策を巡っては日本もかねてより見直しを求めていました。今回の見直しの受け止めと今後の日本政府と米側との協議見通しについて伺います。
○松野官房長官
5日に米国で開催された米EU貿易技術評議会において米国のインフレ抑制法における電気自動車に対する税額控除の見直しについて議論があったことは承知していますが、引き続き状況を注視しているところであります。我が国としては当該税額控除は日米、さらには有志国で協力して進めているサプライチェーン強靱化に向けた全体戦略と整合的でないことなどについて、大きな懸念を有しています。これまでも日本政府としてパブリックコメントを提出するとともに、閣僚級を含むあらゆるルートを通じて米側と協議を行ってきました。そうした中、先月の日米首脳会談においても岸田総理からバイデン大統領に対して直接我が国の考えを伝えたところであります。今後ともあらゆる機会を通じて米国と協議を継続していく考えであります。
――障害者支援施設での虐待について伺います。北海道にある施設で今年6人の職員が、入所者に対して裸で長時間放置するなど虐待を繰り返していたことが分かりました。静岡県の保育園で暴行事件が発覚したばかりですが、政府見解と対応をお聞きします。
○松野官房長官
ご指摘の障害者支援施設における虐待事案については、北海道庁等が施設への調査などの必要な対応を行っていると聞いています。障害者虐待の防止については、これまでも、障害者虐待防止法に基づき、通報を受けた場合に、都道府県等が必要な監督などを行うとともに、今年度からは新たに障害福祉事務所に対し、虐待防止委員会の設置、職員研修の実施、虐待防止責任者の配置を義務化したところであります。現在、厚生労働省において、北海道庁に当該事案の事実関係を確認中であり、その結果を踏まえ、必要な対策を講じていく考えであります。
――ロシアによるミサイルシステム配備に関する質問です。ロシア国防省は5日、千島列島の幌筵島に移動式沿岸防衛ミサイルシステムを配備したことを明らかにしました。ロシアがウクライナ侵攻の陰で同地域の軍事化を進めているとの指摘もありますが、政府の受け止めや、今後の対応について伺います。
○松野官房長官
12月5日、ロシア国防省は、千島列島の北部の幌筵島において、沿岸ミサイルシステム、バスチオン部隊が当直勤務を開始した旨、発表したと承知しています。
ロシアのウクライナ侵略が続く中、我が国周辺を含む極東においても、ロシア軍がその活動を活発化させています。
政府として、こうしたロシア軍の動向について、引き続き注視していく考えであります。