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【全文】「サハリン1」新会社で日本の権益維持「非常に意義がある」 松野官房長官(11/15午前)

2022年11月15日 13:00
【全文】「サハリン1」新会社で日本の権益維持「非常に意義がある」 松野官房長官(11/15午前)

松野官房長官は、15日午前の会見で、ロシア政府が「サハリン1」新会社へのSODECO(サハリン石油ガス開発株式会社)の参画を認める旨の決定を行ったことを受け「我が国の中長期のエネルギー安定供給の観点から非常に意義がある」と述べました。

<会見トピックス>
▽GDP
▽G20
▽米中首脳会談
▽サハリン1
▽葉梨前法相交代についての国会説明
▽横田めぐみさん拉致から45年
会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。一般案件等5件、法律の公布、政令、人事が決定されました。大臣発言として、内閣総理大臣臨時代理たる私から海外出張不在中の臨時代理について申し上げました。私からは以上です。

――先ほど発表されましたGDPについて伺います。7月から9月までの国内総生産は前の3か月と比べた実質の伸び率が4期ぶりのマイナスとなりました。受け止めと、先行きの見通し、今後の取り組みを伺います。

○松野官房長官
本日公表された2022年7ー9月期のGDP速報では内需は引き続きプラス寄与となったものの、輸入増に伴う外需のマイナス寄与を背景として、実質成長率は、前期比マイナス0. 3%、年率に換算するとマイナス1.2%となったものと承知をしています。内訳を見ると、供給制約の緩和等による輸入増や対外サービスの一時的な支払い増がマイナスに寄与しました。一方で、設備投資が企業の積極的な投資意欲等を背景に、引き続き増加するとともに、個人消費が経済社会活動の正常化の進展により、前期比プラスを維持するなど、民需を中心として景気は緩やかに持ち直しているという姿に変わりはないものと考えています。先行きについては、今般の総合経済対策を含めた各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、物価上昇が続く中で、家計の実質所得の減少や企業のコスト上昇など、家計企業を取り巻く環境には厳しさが見られ、さらに世界的な景気後退懸念にも注意が必要であると認識をしています。政府としては総合経済対策の裏付けとなる補正予算の早期成立に全力で取り組みます。その上で、対策に盛り込まれた各施策を国民の皆様の手元にしっかり届け、生活を支えていることを実感いただけるよう、迅速かつ着実な執行に全力を尽くしてまいりたいと考えています。

――G20について伺います。G20サミットが本日インドネシアで開幕されます。ロシアのウクライナ侵攻後、物価高が進み、減速懸念が強まる世界経済や食料とエネルギーの安定的な確保、新型コロナウイルス禍を踏まえた国際衛生体制の強化というテーマでの議論がなされる見込みですが、政府として期待する成果について伺います。

○松野官房長官
本日から16日まで、インドネシアのバリにおいて、G20 バリサミットが開催され、日本から岸田総理が出席をします。
今回のG20 サミットでは、ロシアによるウクライナ侵略が継続する中、食料、エネルギー安全保障、国際保健など、現下の国際情勢における重要課題について意見が交わされる予定であります。
岸田総理からはロシアによるウクライナ侵略への国際社会の結束した対応を改めて呼びかけるとともに、来年日本が議長を務めるG7を見据えつつ、こうした重要な課題について日本の立場と取り組みを積極的に発信し、議論に貢献したいと考えています。
また、会合の合間にG20メンバーとの2国間会談を実施し、これらの国との連携をさらに強化する機会としたいと考えております。

――米中首脳会談について伺います。14日、インドネシアの バリ島でバイデン大統領と習近平国家主席の初めての対面での首脳会談が行われました。台湾問題については 平行線だったとみられますが、対話の継続では一致したということです。米中関係の安定は日本や国際社会の政治・経済に大きな影響を与えますが、今回の会談結果をどういうふうにご覧になってるんでしょうか、お願いします。

○松野官房長官
14日、 バイデン大統領と習近平主席との間で米中首脳会談が実施されたと承知をしています。米国側の発表によれば、会談では米中関係、国境を越える課題、人権、台湾海峡情勢、ウクライナ情勢、北朝鮮情勢等について、約3時間にわたって幅広い議論が行われたと承知をしています。第3国間の会談についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で申し上げれば、米中両国の関係の安定は国際社会にとっても極めて重要であると考えています。日本としては、引き続き同盟国たる米国との強固な信頼関係のもと様々な協力を進めつつ、中国に対して大国としての責任を果たしていくよう働きかけていきたいと考えております。

――ロシア極東での開発プロジェクト、サハリン1について伺います。ロシアメディアは日本側が従来と同じ 30% の権益を維持することをロシア政府が承認したと伝えました。政府として把握してる事実関係と受け止め、今後の対応を伺います。

○松野官房長官
ロシア政府がサハリン1新会社へのSODECOの参画を認める旨の決定を行ったことは承知しております。本決定は我が国の中長期のエネルギー安定供給の観点から非常に意義があることと考えます。引き続き、エネルギー安定供給の確保に万全を期すべく、今後も官民一体となって対応していく考えであります。

――葉梨前法務大臣の辞任について。大臣交代を巡り、野党は岸田総理の国会での説明を求めました。立憲民主党の安住国対委員長は、その前提がなければ、21日以降の国会日程はすべて白紙にするとしています。 自民党の高木国対委員長は、政府と相談するために持ちかえったとのことですが、現在の調整状況、総理が本会議で説明する必要性について伺います。

○松野官房長官
国会の運営に関することは、国会でお決めをいただくことでありますが、政府としては、与党ともよく連携を取りながら適切に対応してまいりたいと考えております。

――拉致問題について伺います。横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されて本日で45年となります。母親の早紀江さんは会見で、解決が出来ないまま終わってしまうのではないかと苦しい胸の内を明かしていますが、政府として拉致問題解決に向けてどう道筋を付けていくんでしょうか。お願いいたします。

○松野官房長官
横田めぐみさんをはじめ、いまだに多くの被害者の方々が北朝鮮に取り残されていることは、痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っています。私自身、お母様の早紀江さんから類似の機会に直接お話しをお伺いをしているところでありますがご家族もご高齢となる中で拉致問題は時間的制約のある人道問題であり解決には一刻の猶予もありません。拉致問題は、岸田内閣の最重要課題であります。拉致問題の解決に向けて、米国をはじめとする関係国と緊密な連携を進めていくと同時に我が国自身が主体的に取り組みを進めていくことが重要であり、岸田総理自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を表明をしています。政府として北朝鮮に対しては拉致問題の解決に向けて、様々な働きかけを行うなど、あらゆる努力を行ってきています。すべての拉致被害者の一日も、早い帰国を実現するべく米国をはじめとする各国と連携しながら、全力で果断に行動していく考えであります。