静岡・川勝知事 給与・ボーナスを返上せず “コシヒカリ発言”で「全額県民にお返しする」と明言も…
2021年に静岡県で行われた参院補選の応援演説で「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない」と発言し、辞職勧告決議を受けた静岡県知事が、返上する意向を示していた給与やボーナスを返上していないことがわかりました。
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静岡県 川勝知事(2021年)
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」
この発言は、静岡県の川勝知事が2021年の参院補選の応援演説でしたものです。支援する候補の対抗馬が前の御殿場市長だったため、“御殿場市はコシヒカリしかない”と発言したところ、御殿場市民などから批判が殺到しました。
この「コシヒカリ発言」をめぐり、県議会は史上初となる知事への「辞職勧告決議」を可決しました。川勝知事は「自らペナルティーを科す」として、その年の12月の給与やボーナス約440万円を返上する意向を示していました。しかし、返上するとしていた給与やボーナスは全額支給され、返上されていなかったことがわかりました。
2021年に返上の意向を示した時、知事は辞職勧告を重く受け止め「全額県民にお返しする」と明言していました。
静岡県 川勝知事(2021年)
「辞職勧告が採決されたのは極めて重いと受け止めておりまして、この勧告を忘れることはないと。年末の手当、ボーナスとか12月の公給は全額県民のみなさまにおかえしする、返上する」
その後、返上のために必要な条例の改正が間に合わず、代わりに去年の給与やボーナスの返上を検討するとしていました。しかし、3日に公開された去年の知事の所得を見ると、給与やボーナスは全額支給されていました。
4日朝、知事に理由を追及すると――
――なぜ返上しなかったのか
静岡県 川勝知事
「2年前、私の不適切な発言がございまして、辞職勧告決議に至ったわけです。それに対して、不適切発言は一切しないと、人さまの選挙の応援には行かないという約束をしました。この約束を破れば公給の返上どころか即辞職いたします。そういう覚悟でやっています」
返上しなかった理由については答えず、辞職勧告決議に対しては「選挙の応援に行かないという約束をした」ことで自らペナルティーを科したということなのでしょうか。
「今後、選挙応援に行くことがあれば、給与などの返上ではなく辞職をする」と話しました。