松本復興相発言、政界の反応は 記者解説
東日本大震災の被災地の復興を目指す菅内閣の目玉ともいえる松本復興相の「知恵を出さないやつは助けない」などの発言に対し、4日、反発が広がった。今回の発言は政界でどう受け止められているのか、政治部・佐藤圭一記者が解説する。
野党側は非常に敏感に反応した。例えば、自民党・大島副総裁は「上から目線の発言だ」と批判した。また、自民党・山本参議院政審会長は「ゴーマン復興相だ」などと述べて、「明日にも辞めてもらいたい」と強く反発している。
山本氏「(宮城・)村井知事に、『県でコンセンサスを取れ。そうしないと我々は何もしないぞ』と。一言でいうと『ゴーマン復興相』だなと」「こういう大臣には明日にも辞めてもらって、残り少ない菅政権の期間だろうが、新しい大臣にやっていただきたい」
現時点では、松本復興相の辞任の可能性は低いといっていい。松本復興相本人は4日、辞任の意思はないと明確に述べた。
一方、野党側からは厳しい声が上がっているが、現段階では本気で辞任を要求するという考えではないようだ。また、相手が復興担当の、就任したばかりの閣僚であるため、あまり強く辞任を要求しすぎると震災復興の足を引っ張っているような印象を有権者に与えかねないという点も背景にはありそうだ。
その一方で、国会審議への影響が懸念される。先月22日に延長が決まって以降、国会は空転が続いてきたが、民主党と自民党、公明党は4日、6日から審議を再開することで合意した。
その直前に飛び出した松本復興相の問題発言だけに、野党側は厳しく追及する構えで、松本復興相の言動は引き続き、国会の争点の一つになっていく可能性がある。