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代表選、各陣営の動向と見通し 記者解説

2011年8月28日 1:22
代表選、各陣営の動向と見通し 記者解説

 民主党代表選挙に立候補した前原誠司前外相や海江田万里経産相ら5人は、29日の投票に向けて、まだ態度を決めていない議員の支持獲得に全力を挙げている。各陣営の動きと見通しについて、政治部・斉山嘉伸記者が解説する。

 民主党代表選挙は27日に告示され、前原氏や海江田氏の他、馬淵澄夫前国交相、野田佳彦財務相、鹿野道彦農水相の5人が立候補した。5人は27日午後、日本記者クラブ主催の共同記者会見に臨み、論戦を繰り広げた。

 在日外国人から献金を受けていた前原氏はこの共同会見に先立ち、献金問題について説明した。前原氏は、これまで明らかになった分を合わせて、去年までの6年間に在日外国人や在日外国人が代表を務める法人からの献金が5件で59万円あったことを明らかにした。しかし、いずれも前原氏自身は献金の事実や相手が外国人であることを知らなかったと話した上で、「すでに返還している」などとして、問題は解決済みとの認識を強調した。

 「あのー、質問の前に私の立場を説明しておきますが、私は小沢氏本人ではございません!」-一方で、党内最大勢力を抱える小沢元代表が支持を表明し、基礎票では一歩リードしているとみられている海江田氏には、党員資格停止処分を受けている小沢氏の処遇について質問が集中した。海江田氏は、小沢氏の処分を解除し、要職に起用する可能性について明言を避けたが、否定もしなかった。また、小沢氏に協力を求めた理由については「この国の今の状況を克服するために、小沢氏の力がどうしても必要だと思ったからであります」と述べた。

 選挙戦について、海江田陣営の幹部は「2度目の決選投票ではなく、1回目の投票で過半数の200票を超えたい」としているが、5人が立候補したことで、1回目の投票では誰も過半数を獲得できず、上位2人の決選投票で決まるとの見方が出ている。

 このため、前原、野田両氏は、小沢氏に距離を置く勢力として連携を模索することになりそうだ。

 一方、鹿野氏と馬淵氏は、中間的な立場として投票態度を決めていない議員に党内融和を訴える戦略。馬淵氏を支持する議員は、都内のホテルに集まり、個別の議員に電話で働きかけた。

 各候補の陣営は、まだ態度を決めていない議員の支持獲得に全力を挙げている。