【全文】吉川赳議員にボーナス約290万円「コメントする立場にない」官房副長官会見(6/30午前)
磯崎官房副長官は30日午前の会見で、18歳の女子大生に飲酒させたなどと報じられ自民党を離党した吉川赳衆議院議員に夏のボーナスにあたる期末手当約290万円が支給されることを受けて「進退についてはコメントする立場にない」などと述べました。
<会見トピックス>
▽G7・NATO首脳会議の外交成果
▽日韓首脳の接触
▽観光支援策
▽“パパ活”報道の吉川赳議員にボーナス
▽勿来火力発電所9号機トラブルで停止
▽尼崎市USB紛失問題
会見の概要は以下の通りです。
――30日夕方に岸田首相がG7とNATO首脳会議などの外交日程を終えて帰国。
改めて政府として今回の外交の成果について。
また合わせて今回は日米韓首脳会談に加えて、韓国の尹大統領と立ち話の機会があった。
韓国側の一部報道によれば、韓国政府は元徴用工問題の解決に向けて、日本円でおよそ31億円規模の基金を創設する案を検討していると。
この報道に対する政府の見解は。
〇磯崎官房副長官
まず、今回の外遊でございますけれども、まずG7につきましては、26日から28日に開催をされました今回のG7のサミット、世界が世界の岐路に立つ中でロシアによるウクライナの侵略への対応に加えまして、物価対策を含む世界経済、インド太平洋などの地域情勢、気候変動、また食料安全保障といった課題について率直に議論を行い、G7として結束をし力強いメッセージを発信することができた有意義な機会となったというふうに思っております。
また出席した岸田総理、自由民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値を守り抜くために、またロシアの暴挙によってもたらされました世界的なエネルギーや食料の価格高騰に対応するため、アジアにおける唯一の需要の価格高騰に対応するため、アジアにおける唯一のG7メンバーである日本の総理大臣として、議論に参加貢献をしたというふうに認識をしております。
またNATOは29日の午後、岸田総理が日本の総理大臣として、史上初めてNATOの首脳会合に出席をしました。
この会合におきましては、欧州とインド太平洋、この安全保障は不可分であり、力による一方的な現状変更はいかなる場所でも許されないとの認識を確認し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて連携を強化することで一致しました。
また日・NATO関係を新たなレベルに引き上げることで一致をし、新たな共同文書の合意に向けて作業を加速することも確認をいたしました。
このタイミングでの会合、歴史的な意義を有するものであり、同志国との連携を強化し、欧州とインド太平洋を結ぶ、自由と民主主義のための連帯パートナーシップを築いていくという考え方でございますので、これも非常に意義があったというふうに認識をしております。
日米韓につきましては、29日の午後、日米韓首脳会談に出席をしまして、主に北朝鮮への対応、これを中心に意見交換を行いました。
岸田総理からは核実験を含めまして北朝鮮によるさらなる挑発行為の可能性も排除されない中で日米韓の連帯強化は不可欠である旨を述べ、3か国の首脳は北朝鮮への対応に関する日米韓協力を一層推進していくことで一致をしたということでございます。
また、岸田総理からこの拉致問題につきましても、バイデン大統領および尹大統領の引き続きの理解と協力を求め、両首脳から支持を得たということでございます。
総じて今回の外遊は非常に意義のあった、成果のあった、そういう外遊であったというふうに認識をしております。
もう一つ元朝鮮半島出身労働者の問題、についてご質問がございました。
ご指摘の報道につきまして、承知はしているところでございますけども、韓国国内の動きということでございますので、その動きの一つ一つについてコメントすることは差し控えさせていただきたいとそのように考えております。
以上でございます。
――今、日韓関係について話題あったが、昨日会見で、副長官からは岸田総理と尹大統領は晩餐会の際に「自然な形で出会った」と。
この自然な形で出会うというのは具体的にはどういった状況か。
○磯崎官房副長官
きのう総理もですね、この点について質問があって答えられたというふうに承知をしておりますが、岸田総理は現地時間の6月の28日に行われましたフェリペ6世スペイン国王陛下主催晩さん会の際に尹錫悦韓国大統領と、自然な形で出会いごく短時間簡単なあいさつを交わしたということでございまして、昨日も申し上げました通り、岸田総理からは非常に厳しい日韓関係を健全な関係に戻すために尽力いただきたい旨述べたというこういうことに尽きるということでございます。
――どちらが話しかけてやりとりが発生したのか。
○磯崎官房副長官
日韓のその首脳会談的なものや、いわゆるプルアサイドっていうんですか。
こういうものが特にあったということではなくて、晩さん会の席上ですので、自然に出会ったということ、というふうに承知をいたしております。
――韓国側はですね、岸田総理の方から話しかけて、日韓関係がより健全な関係に発展するように努力しようと述べたというような、発表をしているが事実か。
○磯崎官房副長官
いえ、そういうことは承知をしておりません。
――政府の観光支援策、全国旅行支援について。
政府はこれまで6月中の感染状況を見極めた上で感染状況の改善が確認できれば、7月前半に全国を対象とした観光需要喚起策を実施すると説明してきた。
昨日、東京都内では3800人の新規感染者が確認されるなど、新型コロナの感染者の増加傾向。
明日から7月となるが全国旅行支援の開始時期など、検討状況について。
○磯崎官房副長官
先週、開催をされました厚生労働省の専門家会議、ここでは今後は感染者数の増加も懸念されるとの分析評価がなされておりまして。
今後の感染の動向を注視しながら高い警戒感を持って対応していかなければいけないというふうに考えております。
全国旅行支援の開始時期につきましては、これまでも今のお話でございました通り、申し上げている通り、6月中の感染状況を見極めた上での判断ということでございますので、今日6月が終わるということですので、これからこの6月の状況を踏まえて判断をしていくということでご理解をいただければと思います。
――吉川赳衆院議員へのボーナス支給について。
18歳の女子大生に飲酒をさせたなどと報じられ、自民党を離党した吉川赳衆院議員に対して、今日国会議員のボーナスにあたる期末手当が支給される。
額はおよそ290万円で、今後議員辞職するかにかかわらず支給される形。
現在、説明をしない状況が続いているが、説明責任や進退の判断を求める声が強くある。
これに対する政府の受け止め、また進退に対する政府の考え方、そして議員辞職を促すことはないのか。
○磯崎官房副長官
本件につきましては、これまでもいろいろご質問いただいて、同じ答えになるので恐縮でございますが、個別の国会議員の進退についてでございますので、政府としてコメントする立場にはないということでございます。
一般論として申し上げれば、政治家は国民から疑惑を持たれるようなことがあった場合には自ら、説明すべきものということと考えております。
以上でございます。
――東京電力管内に電力を供給している福島県の勿来火力発電所9号機が、今日午前にトラブルで停止した。
連日各地で厳しい暑さが続き、電力需給のひっ迫が懸念される中でのトラブルだが、これによる影響と今後の政府の対応について。
○磯崎官房副長官
ご指摘のとおり昨晩、福島県にあります。
勿来火力発電所にトラブルがあったということでございますが、今日の夕方前に、一部復旧する予定というふうに聞いております。
引き続き電力需給の状況を注視しながら今後の対応を判断をしてまいりたいというふうに考えております。
今日も厳しい電力需給状況となる見通しでございまして、引き続き、4日連続になりますが、電力需給ひっ迫注意報を継続することとしております。
繰り返しになりますが、本日も国民の皆さまにおかれましては、適切に冷房を活用するなど熱中症にならないよう十分に注意していただきながら、使用していない照明を消すなど引き続き無理のない範囲での節電へのご協力お願いをしたいというふうに考えております。
――尼崎市のUSB紛失問題。
保存媒体が持ち出されている背景には、セキュリティーの高い専用回線が整備されていないことや、外部業者とのやりとりについてのルールが徹底されていないことがあるとの指摘。
デジタル田園都市国家構想を進める中で、現在自治体に委ねられているセキュリティー環境の整備や、個人情報のやりとりに関するルール作りについて、政府として更に検討している支援策等あれば。
○磯崎官房副長官
多くの住民の情報を取り扱う地方公共団体における情報セキュリティー対策、極めて重要であるという認識でございます。
総務省からはこれまでも地方公共団体への支援といたしまして、地方公共団体における情報セキュリティーポリシーに関するガイドライン、こういったものを通じまして情報セキュリティー対策に関する最新の動向を踏まえた技術的な助言、これを行ってきたところでございます。
このような中で今般尼崎市におきまして、住民情報などを取り扱う委託業者からの情報流出事案が起こってしまったこと、これは大変残念ということでございます。
各地方公共団体に対しましては、これまでも委託事業者に起因する事案を防止するために委託事業者において、十分な対策を講じるように求めてきたところでございまして、今回の事案を受けまして、総務省から改めて各地方公共団体に対して委託事業者へのセキュリティー対策の徹底及び確認を行うよう技術的な助言を6月23日付で発出をしたところでございます。
引き続き各団体における情報セキュリティー対策の徹底が図られるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。