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【全文】節電ポイント2000円相当付与は「8月中に開始」官房長官会見(6/28午前)

2022年6月28日 12:59
【全文】節電ポイント2000円相当付与は「8月中に開始」官房長官会見(6/28午前)

松野官房長官は28日午前の会見で、節電に協力した家庭への2000円相当のポイント付与を8月中に開始することを明らかにしました。

<会見トピックス>
▽閣議概要

▽電力ひっ迫注意報

▽節電ポイント

▽原発再稼働

▽新型コロナ対応

▽水不足

▽最低賃金引き上げ

▽北朝鮮拉致問題

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。

一般案件等16件、政令、人事が決定されました。

大臣発言として経済産業大臣から、令和4年度版通商白書について。

野田大臣から、令和4年度青少年の非行・被害防止全国強調月間の実施についてそれぞれご発言があり、内閣総理大臣臨時代理たる私から海外出張不在中の臨時代理について申し上げました。

私からは以上でございます。

――節電について。

経産省は今日も東電管内の電力需給が厳しくなる恐れがあるとして、電力需給ひっぱく注意報を継続した。

また、東電と北海道電力、東北電力の各グループは29 日の電力供給予備率が5%を下回る可能性があるとして、需給逼迫準備情報を初めて出した。

現在の電力の需給状況や今後の見通しについて。

○松野官房長官
今日も 6 月としては記録的な暑さになると見込まれており、電力需要はこの時期としてはまれな極めて高水準で推移するものと見込まれるため、引き続き電力需給ひっ迫注意報を継続することとしました。

本日も適切に冷房を活用するなど、熱中症にならないよう十分に注意をしていただきつつ、使用していない照明を消すなど、引き続き、無理のない範囲で節電へのご協力をお願いをしたいと考えております。

明日以降の電力需給状況については、昨日時点で北海道、東北、東京の各一般送配電事業者から需給ひっ迫準備情報が発表をされています。

引き続き、電力需給の状況を注視しながら今後の対応を判断をしていく考えであります。

――火力発電所事業者のJERAが発電所の運転再開を前倒しする一方、関西電力は定期検査中の原発の運転再開が遅れる見通しを示した。

この夏の電力需給の最新の見通しと、需給安定化に向けた政府の対応は。

○松野官房長官
この夏の電力需給は先月時点での想定では、東北、東京、中部の三つのエリアで予備率が3.1%と安定供給に最低限必要とされる水準ギリギリの状況でありました。

そのため公募による休止電源の稼働や追加的な燃料調達などの供給対策を実施したところであります。

この結果、全国で3%台後半は確保できる見込みとなっています。

足元でも既に厳しい需給状況となっていますが今週後半以降、追加で確保した電源の再稼働の前倒しや補修や定期検査が終了した電源の稼働が見込まれるため供給力の増加も見込まれます。

引き続き需給の動向を注視しつつ、状況を丁寧に発信をしていきたいと考えております。

――節電要請について、どの程度節電したらいいのかわかりにくいという声も。

国としてどのように理解を求めるのか見解あれば。

○松野官房長官
節電について、具体的な数値目標は示していませんが、まずは適切に冷房などを活用し、熱中症にならないように十分注意をしていただきたいと思います。

その上で使っていない照明は消すなど、無理のない範囲での節電、省エネへのご協力をお願いをしたい考えであります。

また特に電力需給が厳しくなる夕方を中心とした時間帯には、消費電力の大きい電気ポットや乾燥機の使用を控えるなど、熱中症には十分注意しつつ、できる限りの節電をお願いをしたいと思います。

詳細につきましては、経産省において具体的な省エネ節電メニューを取りまとめ、自治体や産業界に配布するとともに、ホームページで公表するなど幅広く周知をしています。

今後ともわかりやすい発信に努めていきたい考えであります。

――節電ポイントについて伺う。

公明党の山口代表は27日の演説で「節電してポイントをいただけるのはいいが、無理して熱中症になっては元も子もない」と述べた上で、岸田首相に電気料金の負担軽減を求める考えを示した。

野党だけではなく与党からも節電ポイントはあまり評価されていない。

国民の間でも批判的な声が上がっているが、政府としてこうした状況をどう受け止めているか。

○松野官房長官
一般論として申し上げれば、国民生活や産業活動に直結する電気料金の負担を抑制していくことは重要であると考えています。

電気料金の負担軽減を含む物価高騰対策については、総額1兆円の地方創生臨時交付金を利用して各自治体における地域の実情に応じた創意工夫によりきめ細かい取り組みが始まっているところであります。

具体的には昨年よりも電気料金負担が増加している地場産業に対する支援金の交付や、物価高騰対策としての給付金の給付などが始まっており、こうした取り組みが全国的に横展開されていくことを期待をしています。

節電ポイントについてでございますが、この夏に向けてはまずは電力の供給力の確保が重要であり、政府として火力発電所の再稼働など供給サイドでの対応に努めているところであります。

熱中症を回避するためには、エアコンを適切に利用いただくことが大事であり、無理な節電はお願いをしておりません。

8月は節電プログラムに参加いただいた家庭に2千円程度相当の定額のポイントの支給を開始すると承知をしています。

――電力の安定供給を図るために早期の原発再稼働を求める声が一部にある。

政府は原子力規制委員会の基準に基づいて安全が確認された原発を再稼働させていく立場だが、規制委の審査の遅れがネックになって再稼働の動きが停滞している。

審査体制の強化に向けて具体的な施策を打っていくのか。

○松野官房長官
原子力発電所の再稼働については安全性の確保を大前提に原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合に、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めるというのが政府の方針であります。

その上で、原子力規制委員会において、体制面では審査内容が共通する案件を同じチームで担当するなど審査会の機動的な配置を行うことに加え、過去の審査における主な論点などを公表することで事業者の予見性を向上させ、今後の審査を効率化することや審査すべき項目の趣旨の明確化にも着手しているものと承知をしております。

――先ほどの質問にもあったように公明の山口代表は政府に電気料金引き下げにつながる施策の早急な実施を求める考えを示しているが、与党との協議についてどのような方針で臨むか。

○松野官房長官
与党との?

――ええ、公明との協議ですね。

○松野官房長官
まず、与党間の協議が前提かと思います。

山口代表のご発言の詳細につきまして、今私は承知をしておりませんので、私からコメントすることは控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、必要な電力供給量の確保や電気料金の負担を抑制していくことは重要であり、与党の皆さんともしっかりとコミュニケーションをとっていきたいと思います。

――節電ポイントの長官の発言の確認だが、8月は節電プログラムに参加いただいた家庭に2000円程度といったと思うが、プログラムのスタートは8月からという認識で良いか。

○松野官房長官
電力会社が提供する節電プログラムに参加するご家庭への2000円相当のポイントの付与等を8月中に開始をするということでございます。

――新型コロナ対策について。

東京で新規感染者数が10日連続で前の週の同じ曜日を上回ったほか、全国的にも下げ止まりの傾向が見られる。

現下の感染状況についての認識と今後の対応。

全国旅行支援の来月前半からの実施に影響はないか伺う。

また、ワクチンに4回目接種開始から1ヶ月が過ぎたが、専門家からは介護福祉施設の入所者への接種などをさらに進めるよう求める声も出ている。

この間の4回目接種への評価と、どう接種促進に取り組んでいくのか。

○松野官房長官
全国の新規感染者数は、直近の1週間では10万人あたり84人となっており、先週と比べて1.08倍となっています。

先週の厚生労働省の専門家会議では、今後は感染者数の増加も懸念されるとの分析、評価がなされており、今後の感染の動向を注視しつつ、高い警戒感を持って、対応していく考えであります。

全国旅行支援については、これまで申し上げている通り、6月中の感染状況を見極めた上で判断をしてまいりたいと考えております。

4回目接種につきましては、60歳以上の方と、18歳以上で基礎疾患がある方や重症化リスクが高いと医師が認める方を対象に、5月25日に開始をしたところであります。

4回目接種は3回目接種を受けてから、5か月の間隔で接種可能となるため、7月から本格化する見込みであります。

7月以降、夏休みなど帰省や旅行のシーズンを迎え、人と人との接触機会が増えることから、感染者数の増加やそれに伴う重症化の増加が懸念をされます。

4回目接種により、高い重症化予防効果が得られるため、対象者の方々にはできる限り早く接種をしていただきたいと考えております。

政府としても、重症者リスクの高い方が多く入所している高齢者施設等について、高齢者施設と自治体が連携して、速やかに4回目接種を実施するよう依頼をしています。

また、4回目接種の重要性についてテレビCM等による、わかりやすい情報発信を行っているところであり、引き続き、様々な媒体を通じて、周知、広報を行い、接種促進に努めてまいりたいと考えております。

――節電ポイントについて。

8月からスタートだが、新電力などの企業数が多いが、幅広くカバーするのか。

○松野官房長官
詳細につきましては、経済産業省にお問い合わせいただきたいと思います。

――水不足について。

昨日、各地で梅雨明けが発表された。

関東甲信では観測史上最も早い梅雨明けとなり、梅雨の時期が短いことから水不足が懸念されている。

夏場の水の供給についての政府の認識と、現時点での渇水対策をどのように考えているのか。

○松野官房長官
西日本の一部地域において、少雨により渇水が発生をしており、梅雨明けが早く、今後も雨が降らない状況が続けば、給水への影響が懸念される状況と認識をしており、利水関係者による渇水調整協議会等が開催をされ、段階的な取水制限、節水の呼びかけなどの対策がとられているところと承知をしています。

他の地域も含め、引き続き緊張感を持った状況を見ながら、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えています。

――最低賃金について。

本日、中央最低賃金審議会が開催され、2022年度の最低賃金の引き上げ目安額決定に向けて議論が始まる。

足もとの物価高の影響で引き上げに期待する声もあるが、どのような議論を期待するのか。

○松野官房長官
本日から厚生労働省の審議会において今年度の最低賃金改定に関する議論が開始される予定であることは承知をしています。

新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画では、最低賃金について物価が上昇する中で官民が協力して引き上げを図るとともに、この引き上げ額については、公労使三者構成の最低賃金審議会で、生計費、賃金、賃金支払能力等を考慮し、しっかり議論をしていただくことが必要であると伝えたところであります。

今年度の改定額については今後審議会において、真摯な議論がなされることを期待をしています。

――公労使の議論でというお話だが、政府としては、最低賃金の引き上げ幅について、目安や期待しているものがあるのか。

○松野官房長官
先ほど申し上げた通りでありますが、実行計画において、引き上げ額については、公労使3者構成の最低賃金審議会で、しっかり議論していただくことが必要であるとされており、審議会において、ご議論いただくものと考えております。

――北朝鮮による拉致問題について。

先日、長官が基調演説をされた拉致問題についての国連シンポジウムについて、北朝鮮が談話を発表し「問題は解決済み」との主張を繰り返した。

談話では「日本がアメリカと共謀し、我が国をおとしめ、国際的に孤立させようとする政治的不純な狙いだ」として「拉致問題はこれ以上存在しないというのが、われわれの不変の立場だ」などと主張。

政府の見解を。

○松野官房長官
6月16日のオンラインシンポジウムでは、日本および諸外国の被害者、ご家族の方々の生の声を発信をしていただくとともに、北朝鮮に駐在していた、欧州諸国の元大使から、拉致問題解決に向けたアプローチのあり方等について、活発にご議論をいただきました。

本シンポジウムを通じ、拉致問題に関する、国際的な理解が一層深まったものと考えております。

北朝鮮側の発表の一つ一つについてコメントすることは控えたいと思いますが、我が国としては、北朝鮮のこうした主張は全く受け入れることができません。

我が国としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化の実現を目指す考えに変わりはありません。

拉致問題の解決のためには、国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります。

今後、本シンポジウムにおける議論も踏まえつつ、引き続き、国連の場を含め、米国をはじめとする関係国と緊密に連携をしつつ、あらゆる機会をとらえて、拉致問題を提起をしていく考えであります。