自民党・谷垣総裁は１０日、緊急会見を開き、総裁選挙に出馬しない考えを表明した。

　９日までは出馬に強い意欲を示していた谷垣氏だが、１０日朝、一転して、出馬しないことを決めたという。谷垣氏は会見で、「私は、この総裁選挙に出馬しないという決断をした」「党の再生と日本のために自民党が働くということでやってきた路線も、あまりたくさんの方が出るとわからなくなってしまう。特に、執行部の中から２人出るのは良くないだろうと考えて決断した」と述べた。

　谷垣氏はまた、同じ執行部で一本化を模索してきた石原幹事長を支持する考えを強くにじませた。候補者乱立の様相の中で、谷垣・石原両氏が共に出馬すれば、３党合意路線を支持する票が割れ、共倒れとなることを懸念した末の判断とみられる。ある側近議員は「ああすれば良かった、こうすれば良かったと思うばかりだ」と述べ、無念さをにじませた。

　石原氏は近く出馬を表明する見通しで、まずは谷垣氏の支持層を固められるかが課題となる。

　一方、町村元官房長官に続き、石破前政調会長が１０日、出馬を表明した。この他、安倍元首相と林政調会長代理が出馬に意欲を示している。