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谷垣氏が総裁選出馬断念 その理由、影響は

2012年9月10日 19:27
谷垣氏が総裁選出馬断念 その理由、影響は

 自民党・谷垣総裁は10日に緊急会見を開き、総裁選に出馬しない考えを表明した。谷垣氏が一転して出馬を断念したのはなぜか、その影響はどう広がるのか、政治部・菅原薫記者がリポートする。

 9日までは出馬に強い意欲を示していた谷垣氏だが、10日朝、一転して断念を決めた。ある側近議員は「ああすれば良かった、こうすれば良かったと思うばかりだ」と述べ、無念さをにじませた。

 谷垣氏「私は、この総裁選挙に出馬しないという決断をした。党の再生と日本のために自民党が働くということでやってきた路線も、あまりたくさんの方が出るとわからなくなってしまう。特に、執行部の中から2人出るのは良くないだろうと」

 谷垣氏はまた、同じ執行部で一本化を模索してきた石原氏を支持する考えを強くにじませた。周辺議員らによると、谷垣氏は緊急会見の直前、党本部で石原氏と大島副総裁に会い、出馬しない考えを伝えたという。

 谷垣・石原両氏は先週から大島氏を仲介役に、一本化に向けた調整を続けてきた。10日までに5回行われた会談の中で、大島氏が「勝てる根拠を示してほしい」と求め、互いの推薦人や支持の広がりなどについても検討してきた。選挙戦が混戦もようとなる中、谷垣・石原両氏が共に出馬すれば3党合意路線を支持する票が割れ、共倒れとなる懸念があることや、次の総選挙の顔としてどちらが有利かといったことも検討した上で、谷垣氏は身を引く決断をしたものとみられる。

 この決断に、すでに出馬を表明した議員からは次のような声が上がった。

 町村元官房長官「大変な驚きですね。その(野党3年間の)集大成を自分の手でという思いでいたことは間違いないと思いますから、当然、(総裁選に)出るんだろうと思っていた。だから、びっくりしました」

 石破前政調会長「(谷垣氏は)全てをかけて自民党の再生に努力してこられた。(谷垣氏の不出馬の)お気持ちは、我々党員全て重く、真摯(しんし)に受け止めて、その思いを生かすべく、全力を尽くしたい」

 こうした中、石原氏を支持する議員らは10日昼に会合を開いた。石原氏は11日午後に出馬を表明する見通しだが、谷垣氏を支持してきた議員らの協力をどこまで固められるかが課題となる。

 また、安倍元首相を支持する議員らは12日に出馬要請を行う考えで、安倍氏はこれを受けて正式に出馬を表明する見通し。この他、林政調会長代理も出馬に意欲を示している。