戦後70年談話 “侵略”は踏襲しない方向
安倍首相は戦後70年の首相談話で、村山談話などに盛り込まれた「侵略」との表現を踏襲しない方向で調整していることがわかった。
安倍首相周辺は「侵略とそのまま書くことはないだろう」と述べ、70年談話では「侵略」との表現を踏襲しない方向で調整していることを明らかにした。
こうした中、6日、70年談話の作成に向け参考意見を議論してきた有識者会議は、「日本は満州事変以後、大陸への侵略を拡大」と、「侵略」を認める報告書を安倍首相に提出した。
また、「植民地支配」については「1930年代後半から日本の植民地支配が過酷化した」と指摘した。その上で、当時の政府や軍の指導者について「責任は誠に重いと言わざるを得ない」としている。
一方で、戦後の日本については、「先の大戦への痛切な反省に基づき全く異なる国に生まれ変わった」と評価した。また、村山談話に盛り込まれた「お詫び」などが中国や韓国から「評価」されたことも紹介している。
その一方で、「中国、韓国との間では和解が完全に達成されたとは言えない」などと指摘し、「お詫び」の必要性には言及せず、「和解に向けた作業が必要」だとしている。
安倍首相「先の大戦から我々は何を学び、そして、どのような道のりを進んでいくのかということを、世界に向けて発信していく談話を作成していきたい」
談話について安倍首相は、当初、閣議決定を見送る方向で検討していたが、政府の正式な見解とするため、閣議決定する方向になった。来週14日に閣議決定の上、自ら会見する方針。
首相周辺によると、談話の原案は完成しており、このあと最終的な文言調整を行い、英訳作業に入るという。