アダムズ方式で対立激化 青山キャップ解説
衆議院の選挙制度改革を巡り、安倍首相と民主党の岡田代表が29日、衆議院予算委員会で激しい議論を展開した。焦点は「一票の格差」を是正する「アダムズ方式」をいつから採用するか。政治部・青山キャップが解説する。
岡田代表は安倍首相が改革に後ろ向きだと印象づけたい。一方、安倍首相は自民党が大きな影響を受けるアダムズ方式を直ちに採用する訳にはいかないということで対立が激しくなっている。
今焦点になっているのは、そもそも有識者調査会が答申で、いつからのアダムズ方式の採用を想定していたのかだが、調査会の関係者は日本テレビの取材に対して「起点はどこでもいい。頻繁に選挙区が変わることは気の毒だから見直しを10年ごとに行うことに重きがあった」と話している。その上で、「2020年以降でもいいんだろうと思っていた」と語っているが、採用時期は与野党協議に委ねていたようだ。調整役の大島衆議院議長は各党が納得できる決着を模索している。
安倍首相は2020年以降にはアダムズ方式を採用することを明確にすることで他党の理解を得たいところだが、見通しは立っていない。
安倍首相としては解散・総選挙のいわば前提となっている選挙制度改革を巡る法案は、“衆参ダブル選挙”などのフリーハンドを手にしておくためにも今の国会で成立させたいところ。どう他党を説得するのか、また妥協の可能性があるのか。議論の行方は今後の政局にも大きな影響を与える。