消費税率引き上げどうなる? 青山記者解説
来年4月の消費税率10%への引き上げは見送られるのか?そんな臆測を呼ぶ会合が16日から始まった。講師として招かれたノーベル経済学賞の受賞者は、安倍首相に「増税見送り」を進言した。消費税率引き上げをめぐる議論は、今後どうなるのか。国会記者会館から青山和弘記者が解説。
16日の会合の講師スティグリッツ教授のみならず、安倍首相の経済ブレーンもここに来てそろって見送りの必要性を訴えている。こうした声も受けて安倍首相は税率引き上げの見送りに踏み切るのか今後、検討するものとみられる。
安倍首相は周辺に、消費税率の引き上げで景気が冷え込んで日本経済がデフレ状態に逆戻りしてしまっては元も子もないという思いをにじませている。そのため、16日から始まった有識者との会合は、現在の世界経済の状況を正しく認識するとともに引き上げを見送る場合の、いわば環境整備だとの見方が与党内からも出ている。
しかし、そもそも来年4月の引き上げは安倍首相自身が決めた期限で、見送りは簡単な判断ではない。
また、安倍首相はこれまで国会で、消費税の増税は日本の社会保障を維持するためのものだし、国の信認にも関わると答弁してきている。今後出てくる経済指標や伊勢志摩サミットで国際社会にどういうメッセージを発信するのかもにらみながら、慎重に判断するものとみられる。
その判断は参議院選挙の行方、さらには衆・参ダブル選挙があるのかという政局にも大きな影響を与えることになる。