政府の国際金融経済分析会合に有識者として招かれたアメリカのノーベル経済学賞受賞者・クルーグマン教授が、安倍首相らとの非公開のやりとりをインターネット上で明らかにしていたことが分かった。

　クルーグマン教授は先月２２日、安倍首相や閣僚らが世界経済について意見交換を行う「国際金融経済分析会合」に、有識者として招かれた。会合は非公開で行われたが、クルーグマン氏がインターネット上に会合の議事録を載せていたことが分かった。

　それによると、安倍首相は「オフレコ」と前置きした上で、「財政出動の余地が最も大きいのはドイツ。どうすればさらなる財政出動をするようにドイツを説得できるか？」などと質問していたという。

　会合の最後に、司会者は、「安倍首相の発言内容は内密にすること」を依頼していた。菅官房長官はこの議事録について、「政府が作成したものではなく、教授のメモ」であるとして、教授に抗議することは「考えていない」と述べた。