“黒塗り資料”で攻防 TPP本格論戦開始
TPP(=環太平洋経済連携協定)の国会承認をめぐる本格論戦がスタートした。衆議院の特別委員会で民進党はTPP交渉の経緯を明らかにしない政府の姿勢を厳しく追及している。
政府が国会に提示したTPP交渉の経緯を記した資料は、経緯を明らかにするのは守秘義務違反にあたるとして、タイトル以外はすべて黒塗りになっている。7日の委員会で民進党の玉木雄一郎議員はこの資料を「のり弁当みたい」と評した。
そうした中、玉木議員は元は自民党のTPP対策委員長で現在は特別委員会の委員長をしている西川公也氏が出版する予定の本には交渉の経緯が「克明に書いてある」として「おかしくないか」と厳しく追及した。
民進党・玉木議員「(西川委員長が書いた本には)オバマ大統領の来日の1か月前から、アメリカは従来の原則論から譲歩すると水面下で打診してきたという記述もあります。こうした情報を公開することが(守秘義務)違反なのか、違反じゃないのか。もし違反でなければ同レベルの情報は我々、国会議員にも出していただきたいんです」
安倍首相「まず交渉というのは交渉が妥結をして、妥結した結果がすべてなんですよ。この協議はすぐに表に出るっていうのであれば、外交交渉なんてそもそも成立しないんですよ。過程の交渉に携わった者はそれを外に出すということについては、これは守秘義務にかかわってくるわけであります」
安倍首相はこのように述べて、TPP交渉の過程を公表すれば「守秘義務にかかわってくる」との認識を示した。
一方、本を書いた西川委員長は、「委員長は答える立場にない」と述べるにとどめた。
玉木議員は「交渉過程は結果を分析する上でも評価する上でも極めて大事だ」と述べて、改めて政府側に交渉経緯の開示を求めた。
野党側は今後も政府の姿勢と西川委員長の本の整合性について追及していく方針。