通常国会が１日に閉幕する。安倍首相は夕方に会見し、消費税率の引き上げを２年半再延期する方針について説明する。

　１５０日間の通常国会、甘利前経済再生相の辞任や円高・株安の進行、またＴＰＰ関連法案の成立が先送りになるなど波乱もあった。しかし、伊勢志摩サミットなどを経て内閣支持率は比較的高い水準を維持している。

　安倍首相は夕方の会見で、消費増税の再延期と秋に大型の補正予算案を編成する方針を表明する。７月の参議院選挙へのさらなる追い風にしたい考えだが、財源の問題に加え前回の総選挙の前に消費増税を「再び延期することはない」と断言したこととの整合性について納得感のある説明ができるかが焦点。

　一方の野党側は、アベノミクスは失敗したと批判しているほか、安倍首相は憲法の平和主義をねじ曲げようとしているなどと訴えて支持を広げたい考え。

　民進党・山井国対委員長代理「私たちの方が先に消費税増税の延期は言っているわけですから、そこが争点ではなくて結局アベノミクスを成功させることができなかった（ことが争点）」

　また、野党４党は全国に３２ある１人区すべてで候補者を一本化したことから「いい戦いができる」と期待している。

　今後の政治の行方を大きく左右する参院選は今月２２日公示・来月１０日投開票となる。与野党は１日から事実上の選挙戦に突入する。