「年金積立金」運用で赤字 民進党が批判
私たちに支払われる年金の一部となる「年金積立金」の運用状況が、昨年度、5兆3000億円あまりの赤字だったことがわかった。
国にかわって年金の積立金を運用しているGPIFは、29日、昨年度の運用実績が5兆3098億円の赤字だったと発表した。収益率はマイナス3.81%だった。
去年夏の世界的な株安などが影響したということで、単年度の赤字は5年ぶり。積立金は、昨年度末時点で、140兆6271億円となった。
GPIFは2014年10月、株に投資する割合を資産全体の50%まで引き上げたが、民進党は「政府が株価を引き上げるために、年金資金を使って株式への投資を増やし、その結果、年金がリスクにさらされた」と批判している。
一方、厚生労働省は、高齢者らへの年金の総額のうち、積立金が占めるのは1割で、9割は税金と若い世代の保険料でまかなわれているとした上で、単年度の運用結果で、年金額が下がることはないとしている。