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海洋進出で応酬も日中首脳、関係改善で一致

2016年9月6日 1:21
海洋進出で応酬も日中首脳、関係改善で一致

 中国を訪問中の安倍首相は習近平国家主席と約1年4か月ぶりに会談した。両首脳は中国の海洋進出をめぐり激しく応酬したが、関係改善を目指すことでは一致した。

 会談の中で、安倍首相は尖閣諸島周辺で相次いだ中国公船による領海侵入について強く抗議し、自制を求めた。

 「日本の立場、私の考えを率直に伝えました。今後とも対話と協議を通じて、東シナ海情勢の安定をはかり、これを真の意味で平和協力・友好の海とするよう中国側に働きかけてまいります」-安倍首相は「中国公船の活動は極めて遺憾で一方的に緊張をエスカレートする行動をなくすべきだ」と強く抗議した。

 これに対し国営新華社通信によると、習主席は「共に適切に対応するべきだ」と日本側に注文もつけたという。ただ、両首脳は偶発的な軍事衝突を防ぐための緊急連絡メカニズムの設置に向け協議を加速させることでは一致した。

 一方、南シナ海の問題については安倍首相は「国際法のルールを守り周辺国との不安解消につとめるべきだ」と主張した。これに対し習主席は「日本は当事者ではない」「言動に慎重になるべきだ」などと不快感をあらわにしたという。それでも、両首脳は、より頻繁に会談を行い戦略的互恵関係を推進していくことでは一致した。

 多くの懸案を抱えながらも対話を続けることは確認した両首脳。関係改善に向け、具体的な成果を積み上げていけるかが今後の課題となる。