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プーチン大統領 特別インタビュー全文4

2016年12月14日 17:51
プーチン大統領 特別インタビュー全文4

 北方領土問題などについて話し合う安倍首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談が15日から始まる。会談を前に、プーチン大統領は、日本テレビと読売新聞の取材に応じた。(4/20)


■日ソ共同宣言から60年 歴史の節目に思いは…?


――今年は1956年の日ソ共同宣言、鳩山一郎首相とブルガーニン首相が署名してから、ちょうど60年周年の記念の年になるが、この歴史の節目で日本国民は非常に大きな期待をしているが。

 あなたは今、日ソ共同宣言の締結60年に触れました。ちなみに、これは国交回復60年のことで、日本とロシアとの関係はもっと深く根を下ろしています。我々には150年にわたる外交関係があります。150年以上です。ですから、60年前だけでなく、もっとさかのぼって見つめなければならないという気がします。そうすれば、ずっと先の未来を見通すことができるでしょう。

 100年以上にわたる両国関係の歴史全体を見ると、この60年、我々の関係にはさまざまなことがありました。我々の歴史には悲劇的な局面もありました。国交を回復した1956年以来、残念ながら両国間の協力において、我々のこんにちの希望に沿った適切な関係を築くことができる基礎はまだありません。我々は世界、極東地域におけるパートナーですが、平和条約がまだないため、両国関係を多面的に進展させることができません。


■「平和条約締結は当然のこと。締結されてないのは時代錯誤」


 ですから当然、我々は平和条約の締結をめざします。我々は完全な関係正常化を求めています。ロシアと日本との間に平和条約がないことは時代錯誤で解消されるべきなんです。しかし、どのように解消するかは難しい問題です。

 あなたは共同宣言に触れました。その宣言には、両国が履行すべき、平和条約の基礎となるルールが書かれています。

 共同宣言を注意深く読むと、まず平和条約を締結し、その後、共同宣言が発効して、2つの島が日本に引き渡されると書いてあります。引き渡しの条件や主権については書かれていません。にもかかわらず共同宣言は署名されました。


■ソ連・日本で批准済み 共同宣言に基づく交渉は賛成


 署名されただけではなく、ソ連の議会であった最高会議と日本の国会によって批准されました。しかしその後、日本側は共同宣言を履行しないと発表しました。そのあとでソ連も、共同宣言がソ連のみで一方的に履行されてはならないと発表しました。2000年に当時の日本の首相は、共同宣言に基づいた交渉に戻るように私に呼びかけました。私は賛成しました。

 それ以来、我々は対話を進めていますが、日本のパートナーや友人たちが、共同宣言の枠組みの中にとどまっているとは言えません。

 安倍首相と私の交渉について予測するのは時期尚早です。もちろん、前進を期待しています。