プーチン大統領 特別インタビュー全文7
北方領土問題などについて話し合う安倍首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談が15日から始まる。会談を前に、プーチン大統領は、日本テレビと読売新聞の取材に応じた。(7/20)
■“自由往来”対象範囲の拡大が平和条約締結につながる?
――日本は、G7の一員だ。その中で、安倍首相はプーチン大統領との話し合いを進めようと懸命にいろいろなことを考えている。そのひとつとして、大統領が述べた自由往来がある。今まで島民とその家族に限られていたところを経済人や観光客に広げて、4島での自由往来をして行く。さらに、それを進めれば、共同経済活動になる。それがこの平和条約締結の解決に繋がる道ではないかと我々は考えているが。
人道的な問題の解決に関しては、安倍首相から提案したものでした。彼はリマでの会談でその問題を提起しました。
日本人がビザなしで、故郷である南クリル諸島(北方領土)を訪れることで合意できるかと聞いてきました。私は「はい、可能です」と答えました。必要なことは、両国の外務省が技術的な問題を解決することです。政治的な障害はないと思います。
■「日本は対露制裁加えたまま。日本だけが答えを出せるのか」
それは、経済分野でも同じです。我々には用意がありますが、日本がロシアに対して制裁を続けたままで、同盟の義務を怠ることなく、それをやる用意があるのでしょうか。我々はその質問に対して答えを出すことができません。日本だけがその質問に答えを出すことができます。
■共同経済活動 ロシアの苦い経験…黒海の海底パイプライン建設
私たちはそれをはっきりと理解しなければなりません。将来に向け、なんらかの保証が必要です。ほかの地域の例を挙げます。我々はブルガリアへの黒海の海底を通じたパイプラインを建設することで合意しました。パイプラインの建設に向けた一定の技術的な契約を結びました。その後、ブルガリアは自らの国益に反して、我々がそのプロジェクトを実現できない条件を作ってしまいました。以前のブルガリアの指導部はそれがわかっていたし、認めていました。
ところが、我々は彼らを信頼してプロジェクトを開始しました。最終的に、ブルガリアがそのプロジェクトをやめたことがわかったときに、我々もやめざるを得ず、数億ドルの損害をこうむりました。我々は同じような状態に絶対に陥りたくありません。
幸いにして、我々と日本との関係において、そのような問題が生じたことはありません。しかし、そのような問題が将来にも起きてほしくないのです。だから、我々は前もって、あらゆることを計算しなければならないし、あらゆることで合意しなければなりません。ただ合意するのではなく、互いの義務の実現を保証できる法的文書の形で、その合意を確かなものにしなければなりません。