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“森友”裁判、稲田氏が発言訂正…政権側は

2017年3月14日 18:08
“森友”裁判、稲田氏が発言訂正…政権側は

 大阪の学校法人・森友学園の問題で、これまで弁護士として森友学園をめぐる裁判などに関わったことはないと明言していた稲田防衛相が14日、一転して「夫の代わりに裁判に出廷していた」として発言を訂正し、陳謝した。政治部・首相官邸キャップの青山和弘記者が解説。

 13日は「森友学園の顧問をしていたというのは虚偽だ」「裁判を行ったことはない」と断言していた稲田防衛相。発言の信頼性が問われる事態になっている。

 民進党会派・舟山康江議員「なぜ確認しなかったのか。だから信用できないと言うんです。結局、外から別のところから証拠が出てきてもう否定できない。そこで初めて、しぶしぶ認めたような感じじゃないですか」

 稲田防衛相「私は私の記憶に基づいて答弁をいたしておりました。夫の代わりに出廷したことを確認できましたので、訂正をして、おわびしているところでございます」

 民進党会派・舟山康江議員「そんな言い訳が通じるんだったら、もう何でもありですよ。全てうそついて、ばれた時に謝ればそれで済むということになりますよ」

■稲田防衛相は記憶に頼ったので間違えたということか

 そういう説明だが、事実関係も確認しないで強く否定してしまった訳だから、批判は免れない。

 自民党内からも「閣僚としての資質に乏しい」との厳しい声も上がっている。ある防衛相経験者は「このところ稲田大臣は強気に答弁する姿勢に変えたようで、今回、それが裏目に出た」と解説していた。

 一方、民進・共産など野党4党は「大臣の信頼が失われた」として辞任を求めている。

 民進党・山井国対委員長「国会というのは神聖な場所ですから、そんな簡単にうそをついて、そのことが見つかったら撤回します、ごめんなさいで済むような軽い場ではありません」

 また民進党幹部は「安倍政権ぐるみで森友学園を支援していたという大きな疑惑になってきた」と強調している。

■政権側の受け止めは

 政府高官は、稲田防衛相がかつて弁護士として森友学園の裁判に関わっていたかどうかは「国有地取得の問題とまったく関係ない」と話している。安倍首相も辞任はさせない考え。

 安倍首相「稲田大臣にはしっかり説明責任を果たし、今後とも誠実に職務に当たってもらいたいと考えています」

 官邸関係者からは「小学校認可の取り下げで一段落かと思ったら、タイミングが悪い」との恨み節も聞かれるが、与党幹部は「野党を勢いづかせるだけだから、守るしかない」と話している。

 ただ、稲田防衛相の答弁の信頼性が揺らいだことは政権全体の信用にも関わる。ここはより謙虚に真相究明に努める姿勢が求められる。