野田前首相「審議会の忖度、きわめて残念」
財務相の諮問機関、財政制度等審議会が19日に麻生財務相に渡した意見書で、原案にあった年金の給付水準に関する文言が削除されていたことがわかった。この文言削除を受けて、野党からは批判の声が上がっている。
財務相の経験もある野田前首相は20日午後、「審議会が忖度(そんたく)するようになったのはきわめて残念」などと指摘した。
無所属・野田前首相「あしき傾向だと思います。あの伝統ある財政審までそんな忖度(そんたく)するようになったのは、極めて残念なことだと思います」
会期末を来週26日に控え、野党側は20日、麻生財務相に対する不信任決議案と問責決議案を衆・参それぞれの院に提出した。いずれも21日の本会議で採決され与党などによって否決されることになるが、野党幹部は「あすは一日中、麻生大臣を追及する」と話している。
一方、野党側の盛り上がりをよそに、与党側は早くも選挙モードに突入している。20日昼に行われた安倍首相の出身派閥・自民党細田派の会合では、夏の参議院選挙に向けて頑張ろう三唱が行われ、げん担ぎのカツカレーも配られた。
不信任案提出などで終盤国会の対決ムードを演出したい野党と、さっさと参院選モードに切り替える与党。その温度差が顕著なものになりつつある。