【全文】カンボジア首相のコロナ感染"岸田首相の体調や日程に影響なし"松野官房長官(11/15午後)
松野官房長官は、15日午後の会見で、カンボジアのフン・セン首相が新型コロナ陽性となったことについて、フン・セン首相と会談した岸田首相は濃厚接触者に該当せず、体調や日程等に特段影響は生じていないと述べました。
<会見トピックス>
▽カンボジア首相のコロナ感染
▽1票の格差訴訟
▽ODA
▽住居確保給付金
会見の概要は以下の通りです。
〇松野官房長官
冒頭発言はございません。
――カンボジアのフン・セン首相が新型コロナウイルス陽性となりました。岸田総理は12日にフンセン首相と会談しましたが、総理の体調、今後の日程に影響があるのかどうかについて伺います。
〇松野官房長官
カンボジアのフン・セン首相が新型コロナ陽性となったことは承知をしております。岸田総理は12日にフン・セン首相と会談しましたが、一定の距離をとるといった必要な感染防止措置を講じた上での会談であり、濃厚接触者には該当せず、岸田総理の体調、日程等に特段影響は生じていません。
――一票の価値を巡る訴訟について伺います。夏の参院選での格差が違憲だったとして選挙の無効が求められている裁判で、きょう仙台高裁秋田支部は請求を棄却する一方、違憲状態だったとする判決を出しました。これで各地で行われた一連の高裁判決が出そろいましたが、見解を伺います。
〇松野官房長官
令和4年7月に施行された参議院通常選挙に関わる1票の格差の訴訟については、全16件の高裁判決が言い渡され、いずれも原告の選挙無効の請求が棄却されたと承知をしています。そのうち7件が合憲、8件が違憲状態ではあったが憲法上要求される合理的期間内に是正がされなかったとは言えず違憲でない、残り1件が違憲と判示されたところであります。いずれにしても本件選挙に関わる訴訟については、これまでに言い渡された高裁判決に対して上告がなされ、今後最高裁で審理が行われる見込みであることから、その推移を注視してまいりたいと考えております。
――財務省は日本のODAによる無償資金協力はロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議に反対した18か国に供与され、計138億円にのぼったとの調査結果と公表しました。外務省は無償資金協力の供与先を決める際に、ロシアへの非難決議などへの対応を支援活動の判断材料にしていないということですが、この運用が適切かどうか今後の見直しの是非を含めて、ご見解をお願いします。
〇松野官房長官
お尋ねの無償資金協力のデータについては、財政制度等審議会において、ODAの戦略的効率的活用などを議論するに当たり、議論の参考の一つとして提示されたものと承知をしています。また、ご指摘の支援の中には、人道的視点から実施される国際機関経由の支援や、現地NGO等に対する草の根支援も含まれており、各国政府を対象にするものだけではないと承知をしています。無償資金協力案件の実施は、外交的意義や相手国の人道、開発状況をはじめ、事業ごとに妥当性を判断しており、仮に、ロシア関連の決議等に反対した国に対して、無償資金協力を実施した場合であっても、それがただちに不適当であるとは考えていません。国際秩序が動揺する時代に入り、そういった国に対してもODAを含む、様々な手段を用いて外交的な働きかけをしていくことは、ますます重要です。
――住居を失う恐れのある人に家賃を補助する、住居確保給付金について、コロナ禍で実施した特例措置の一部を恒久化する検討に入ったと一部で伝えられておりますが、今後の住居確保給付金のあり方についてどのようにお考えでしょうか。
〇松野官房長官
生活困窮者に対する住居確保給付金については、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を踏まえ、これまで特例措置が講じられてきたところであります。現在、厚生労働省の審議会において、関係する給付金との併給や求職活動要件の緩和などの特例措置等に関し、円滑な就労への移行や自立を促進する観点から、恒久化について議論が行われているものと承知をしています。引き続き、年末に向けて審議会において、さらに議論を深めていただきたいと考えています。