×

バイデン大統領の“懐刀” エマニュエル駐日大使に単独インタビュー 実は…“鉄っちゃん”? 気さくな人柄の裏に強い信念も

2022年5月19日 20:07
バイデン大統領の“懐刀” エマニュエル駐日大使に単独インタビュー 実は…“鉄っちゃん”? 気さくな人柄の裏に強い信念も

アメリカ・バイデン大統領の就任後、初めての日本訪問を前に、その懐刀であるエマニュエル駐日大使が、日本テレビの単独インタビューに応じました。親しみやすく、気さくな人柄の裏には、中国を念頭に同盟国の結束強化を訴える強い信念がありました。

   ◇

いよいよ日本時間の20日、バイデン大統領がアメリカを飛び立ち、今週末から韓国と日本を訪れます。

大統領就任後、初となるアジア訪問では、中国の脅威を念頭に同盟国の結束強化を打ち出すとみられています。

そんなバイデン大統領の“懐刀”ともいえるのが、今年1月から駐日米大使を務めるエマニュエル氏です。今月13日、就任後、初めて日本メディアの単独インタビューに応じました。

日本とアメリカの関係をとりもつ大使は、いったいどんな人物なのでしょうか。

インタビュー前日、大使館のツイッターには、阪急電車に乗り、座席に座る大使の写真と、「ふかふかの座席がすごく気に入りました! ハンキューベリーマッチ」というつぶやきが投稿されていました。

実はエマニュエル氏は、鉄道が大好きな“鉄っちゃん”大使。関西を訪問した際、阪急電車の座り心地への感動を日本語でつづっていました。

他にも、横須賀を訪れた際は「ワールドクラスの日本が誇る鉄道システムはまさに世界トップクラス」と、京浜急行線も絶賛していました。本来、車での移動が一般的な大使が、電車で移動するのは非常に珍しいことです。

アメリカ エマニュエル駐日大使
「電車が大好きなんだ。あんなに豪華な座席は見たことないよ。(きのうは)4本も電車に乗ったよ」

おちゃめな一面もあるエマニュエル大使ですが、着任後に公開したメッセージでは「私は控えめな性格ではない」「どんな課題や価値観を損ねる相手にも、日米は決してひるまない」と発信していました。

エマニュエル大使は、政治面では豪腕かつ敏腕で知られていて、オバマ政権では最側近のポスト、大統領首席補佐官を2年近く務め、当時のバイデン副大統領とともに、ホワイトハウスで政権運営にあたりました。

バイデン大統領とは非常に近い関係で、アメリカが最も重要な同盟国とする日本の大使として、今年1月に着任しました。3月に広島を、4月に沖縄を訪れ、拉致被害者の家族と面会するなど精力的に活動する中、毎日のようにホワイトハウスと連絡を取り合っているといいます。

そして、今回、単独インタビューでエマニュエル大使が厳しい表情を見せたのは、ある本題に入った時でした。

――ロシアのウクライナ侵攻が続く中、このタイミングでの訪問の重要性は何でしょうか?

エマニュエル駐日大使
「(大統領の訪日は)中国へのウェークアップコール(警鐘)だ。太平洋地域でアメリカは強い存在感を発揮する」

中国の脅威に対抗するため、同盟国が結束を強める必要性を力説しました。

また、日米首脳会談で打ち出す予定のアメリカ主導の新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」については――

エマニュエル駐日大使
「中国が参加するとは見ていない。ここ5~7年の中国を見れば、持続可能性と安定性とはほど遠い」

今後の経済で重要なのは、中国が得意とする「コストの低さ」や「効率性」ではなく、「持続可能性」と「安定性」だと強調しました。また、ロシアによるウクライナ侵攻については、「同盟国の結束こそが大きな武器になる」と強調しました。

エマニュエル駐日大使
「今回、ロシアと中国に衝撃を与えたのは、西側諸国の団結力です。団結力は同盟国の戦略的資産です」

「中国には、同盟国もいないし友達もいない。バイデン大統領と岸田首相が懸命に取り組んできた同盟の強化は、インド太平洋地域の集団的利益の促進に向けて、すでに実を結び始めているのです」

バイデン大統領は、22日には日本に到着する予定で、日本を始めとするインド太平洋地域の防衛協力の強化を打ち出す見通しです。

一緒に見られているニュース