世論反発“定年延長”先送り…政権弱体化?
世論の反発などを受け、検察庁法改正案を先送りした安倍政権。給付金に続く方針転換で、政権の求心力低下を指摘する声も出ています。
急展開から一夜。検察庁法改正案を所管する森法相の定例会見で焦点となったのが、定年を延長する際の基準について。
国民民主党・後藤祐一議員「検察に適用される具体的なイメージを答弁ください」
森法相「適切により具体的な要件を定めるべく、検討をすすめてまいります」
政府の答弁がずさんだという声は、野党からだけではなく自民党内からもあがっています。
森法相「(Q所管する大臣として説明が十分だった)答弁の機会を与えられた時間内において、“丁寧かつ真摯(しんし)な”ご説明をしてまいりました」
丁寧に説明してきたと述べた上で…。
森法相「内閣が恣意(しい)的に運用するのではないかという疑念を解消できるような、具体的な基準をつくることに早速着手してまいりたい」
内閣が検察幹部の定年延長を認める特例について、判断基準を早急につくる考えを示しました。改正案について野党は19日も国会で追及。
立憲民主党・杉尾秀哉議員「時間かけても国民の理解を得られないですよ。私はこの検察庁法改正案、(国家公務員法改正案から)切り離すか、それとも検察庁法の部分については特例を取り下げるかどっちかしかないと思うんですけれどもどうでしょうか」
答弁に立った岡田官房副長官は。
岡田官房副長官「引き続き法務省において丁寧に対応、説明を申し上げるものと存じております」
政府与党は、秋にも開かれる予定の臨時国会で成立を目指す方針です。しかし、自民党内からも異論が出ています。自民党の石破元幹事長は、国家公務員法が検察官には適用されないとしてきた、それまでの解釈を政府が変えて、黒川検事長の定年延長を閣議決定したことに触れ…。
自民党・石破元幹事長「そもそもそんな解釈変更が可能か、もし可能でないとするならば、法律自体つくること(改正案)が無理じゃないか、私にもそういう疑問がある」
ある政権幹部は、採決を強行すれば政権がもたないと思ったと話しています。世論の反発などを受け、重要法案の先送りに追い込まれた安倍政権。
先月にも世論の反発などを受け、10万円の一律給付のために一度決定した予算案を組み替えており、異例の方針転換が続いています。
自民党の議員からは「森友加計問題からの積み重ねで政権が国民の信頼を失っている。もうダメだよ」との声もあがっている。
求心力の低下も指摘される安倍政権。今後改正案について国民の理解は得られるのでしょうか。