【全文】ロシアによる核兵器使用「深刻に懸念している」木原官房副長官(10/7午後)
木原官房副長官は、7日午後の会見で、ロシアによる核兵器使用の可能性について「ウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性を深刻に懸念している」と述べました。
<会見トピックス>
▽ウクライナ情勢
▽安倍元首相の追悼演説
▽いわゆる統一教会の問題
▽国葬のルール
▽原発の運転期間
会見の概要は以下の通りです。
○木原官房副長官
冒頭私からは発言はございません。
――ウクライナ情勢について。
アメリカのバイデン大統領は「キューバ危機以来の核の脅威に直面している」との認識を示した。
日本政府の認識は。
○木原官房副長官
はい、ご指摘をいただきましたバイデン大統領の発言につきましては承知をしております。
ロシアによるウクライナ侵略はまさに国際社会が長きにわたって懸命な努力と、多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かすものであります。
その中で、ご指摘の点でありますが、我が国としては、今般のロシアによるウクライナ侵略の中で、核兵器が使用される可能性ということを深刻に懸念をしているところであります。
こうした中で岸田総理からは、NPT運用検討会議や、そして国連総会の場でも、縷々訴えてきた通り、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核兵器の威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを、引き続き様々な国際場裡において粘り強く、訴えていきたいと考えております。
――安倍元首相の追悼演説。
野田元首相が引き受ける考えを表明。
政府として期待することは。
○木原官房副長官
はい、安倍元総理大臣の追悼演説につきまして、自民党の要請を受けて、立憲民主党の野田元総理大臣にお引き受けいただいたということは承知をしております。
これは国会でお決めになったことでありますので、政府としてコメントは差し控えたいというふうに思いますが、その上であえて申し上げればですね、野田元総理が安倍元総理の前任の総理大臣として、追悼のお気持ちを静謐な環境の中で粛々と述べられることを期待したいとこのように思っております。
――いわゆる統一教会の問題について。
岸田総理は「チェック体制を構築する」と述べましたが、具体的にいつどのような形で行うのか。
○木原官房副長官
自民党における統一教会との関係のチェック体制についてのご質問でありますが、たいへん恐縮ながら、政府としての立場でありますので、お答えする立場にないということで、コメントは、差し控えたいと思います。
――いわゆる統一教会に関して、衆議院の細田議長は関係を説明する文書を出した。
4つの会合への出席などが明らかになった一方で、記者会見を開かないことに説明不足との指摘もあがっている。
政権運営に対しての影響はどのようにお考えか。
○木原官房副長官
はい、細田衆院議長と旧統一教会との関係につきましては、三権の長たる議長として、議長ご自身の判断で適切に対応すべきものであると考えております。
――国葬のルールについて。
有識者からの意見聴取の開始時期は。
臨時国会中に示すことを想定しているか。
○木原官房副長官
はい、まさに国会で総理から申し上げた通り、まずは幅広い有識者の方々からご意見を伺って、国葬儀について、論点と、そして意見を整理することから始めさせていただきます。
意見の収集整理には、まずこの有識者の皆様との日程調整を行った上で、ご意見をお聞きした上で整理をして、そしてまた整理したものをご本人に、ご確認をいただくなど、一定の作業が必要になると考えております。
従って一定の時間がかかるということは避けられないかなと思いますが、できる限り早期にお示しをしたいと考えております。
恐縮ながら、現時点で具体的にいつまでにということを示し、いつまでにお示しできるかということをお答えすることは現時点ではちょっと困難かなと思っております。
――原則40年、最長60年としている原発の運転期間を延長するかどうかの国の議論が開始。
これに関する国と原子力規制委員会との関係について。
原子力規制委員会は、2020年7月に原発の運転期間は政策判断で定められるもので、規制委員会が意見を述べるものではないと公表しております。
政府としては、この見解については、堅持されているとお考えなのか。
○木原官房副長官
はい、ご指摘いただきました通り、原子力規制委員会は2020年の7月に、繰り返しになって恐縮ですけれども、発電用原子炉施設の利用をどのくらいの期間、認めることとするかは、原子力の利用のあり方に関する政策判断にほかならず、原子力規制委員会が意見を述べるべき事項ではない。
という見解を文書で示しておられます。
5日に開催された原子力規制委員会においても見解に変わりはないということが確認されたものと承知をしております。
――原発の運転期間について、長期間の稼働にともなう劣化具合などを科学的に分析すること。
法改正にあたり科学的データの収集はどう行うのか。
○木原官房副長官
はい、一般論で申し上げればですね、運転期間が長ければ長いほど、すなわち高経年化が進めば進むほど、基準的構成の立証は難しくなるというものであると、このように承知をいたします。
その立証責任は事業者にあって、そしてその事業者においてその立証に必要となるデータ等の準備が確実に進められていくものであるとこのように考えております。
そして、いずれにしても運転期間を含めて、原子力政策については年内を目途に、専門家にしっかりとご議論をいただき、そうした議論を踏まえて、政府としての今後の方針を明らかにしていきたいと思います。
その際今まさに御指摘いただいたように、科学的な見地から原子力の安全性を確保していくということは非常に重要でありますので、そうした安全性を確保していく上で、今後とも、独立性の高い原子力規制委員会が厳格に規制を行っていく方針に変わりはないということでございます。