“弾丸出張”の岸田首相、英スナク首相と会談…なぜイギリスと防衛協力を強化?
7日で地球1周、「弾丸出張」が続く岸田首相は、3番目の目的地イギリスで首脳会談に臨んでいます。ロンドンから、同行している平本典昭記者が報告します。
──イギリスとは防衛協力をかなり強めるようですね?
イギリス・スナク首相との会談は、テムズ川のほとりに立つ「ロンドン塔」で、10分ほど前から始まりました。
まずは入ってきたばかりの会談冒頭の挨拶です。
岸田首相「日本と英国、特別な戦略的なパートナーとして、ともに力を合わせて、国際社会の戦略的な課題に取り組んでいく。こうした責任を担っていると思っています」
会談では岸田首相が、去年年末に決めた防衛力を抜本的に強化する方針を伝えるとみられます。さらに、次期戦闘機を日本がイタリア、そしてイギリスと共同開発することを踏まえ、安全保障面での協力を深めることも確認します。
その上で両首脳は、自衛隊とイギリス軍が共同訓練をしやすくなる「円滑化協定」に署名するなど、『防衛力の強化』を具体的に進めます。
──なぜ、イギリスと防衛協力の強化? ウクライナを念頭にロシアへの牽制という意味ですか?
もちろん、ウクライナもあるんですが、もう1つ、日本にとっては意味があります。それは、中国への牽制です。
岸田首相はこれまでに、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と発言しています。
つまり、ある政府関係者は、ロシアへの牽制に加えて、「日本にとって次のウクライナは台湾。イギリスは台湾と遠いけれども、何かあったらちゃんと関与してほしい」という意味あいで、中国への牽制にもつながると解説しています。