「勝った気がしない」「中身が悪い」衆参5補選で自民4勝も岸田首相の表情硬く
23日に行われた衆議院と参議院の5つの補欠選挙で、自民党は4勝しました。選挙結果を受け、岸田首相は衆議院の解散総選挙を行う考えがあるかを問われ「考えていない」と述べました。
4勝と勝ち越したにもかかわらず、24日朝の岸田首相の表情は硬いものでした。接戦の選挙区が多かったことなどが理由で、ある政府関係者は「官邸に高揚感はない。勝った気がしない」と話しています。
岸田首相「(重要課題を)しっかりとやり抜けという叱咤(しった)激励を頂いたものであると受け止めています。今、解散総選挙については考えておりません」
高揚感がない理由について、ある自民党3役経験者は「結果はよかったが、中身が悪い」と話しています。自民党内では、5月の広島サミットの後に岸田首相が解散総選挙に踏み切るのではという声が出ていましたが、ある岸田首相側近が「こんな接戦が多いと、すぐに解散を打つのは厳しい」とブレーキを踏む声が多く出ています。
一方の野党は、明暗が分かれています。和歌山で勝利した日本維新の会は、統一地方選でも勢力を拡大し「維新の独り勝ち」との声が出ています。
これとは対照的に、立憲民主党は千葉でも敗北するなど全敗しました。
立憲民主党・大串選対委員長「それぞれ大変、いい戦いをしてくれたと思いますが、勝利に至らず、大変残念ではありました」
ある立憲幹部は「党内政局だ」と、泉代表の責任論に発展するという見方を示していますが、泉代表は続投する考えです。
執行部を代えるにせよ、続けるにせよ、今のままでは対自民だけでなく、対維新という点でも埋没する状況で、体制をどれだけ早く立て直せるかの戦略が問われています。