“統一教会”被害者救済法案が衆院通過 参議院で議論始まる
いわゆる統一教会の被害者を救済する法案は衆議院を通過し、参議院での議論がスタートしました。果たして、被害者を救済することにつながるのでしょうか。中継です。
法案が衆議院を通過したことを受け、教団による被害を訴えてきた元2世信者の小川さゆりさんが会見を開きました。
元2世信者・小川さゆりさん(仮名)「被害者がいることを忘れないでほしいです。そして、この課題が残っている部分をどうか忘れずに、これからも議論を続けていただきたいです」
法案では教団側などに対して「禁止規定」と個人の自由な意思を抑圧しないなど「配慮義務」を設ける2段構えで不当な寄付を防ぐとしています。
岸田総理は、まずは罰則付きの「禁止規定」で違反があれば、献金を取り消せるようにする。「配慮義務」違反については、献金が取り消せなくても、民事訴訟での損害賠償請求につながるので、救済につながると強調しています。
これに対し、実際に被害者支援にあたってきた弁護士からは「裁判所で不法行為と判断されるかは不透明」と、実効性を疑問視する声も上がっています。
ーーもう1つの焦点。信者が自ら進んで献金して家族が被害にあった場合に、その献金を取り消すことはできるようになったんでしょうか?
その点は、法案では曖昧な部分が多いと言えます。政府・与党側は本人ではなくても「生活の維持が困難になる場合」など、極めて限定的に家族が取り消し請求をできるとしています。
憲法が保障する財産権の問題があり、野党側も妥協せざるを得なかったと言えます。法案には「2年後に見直す」という規定が盛り込まれました。
「曖昧」で実効性が低い部分については、2年とは言わず柔軟に修正などして、対応していく姿勢が求められます。