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これまでと違う被災地での戦い 復興中の能登での衆院選 石川3区の情勢は…

2024年10月25日 19:25
これまでと違う被災地での戦い 復興中の能登での衆院選 石川3区の情勢は…

27日に投開票を迎える衆議院選挙。過去、激戦を繰り広げてきた能登地区の石川3区は復興の最中の選挙戦となっています。これまでと違う被災地での戦いを行う候補者の動きを取材しました。

前職2人による3度目の激突に新人1人が加わった能登の「石川3区」。
毎回、激戦が繰り広げられる選挙区の中で、とりわけ地震と豪雨で2重の被害を受けた奥能登では、被災地を気遣いながらの戦いとなっています。

2017年と2021年は接戦を制し3回目の勝利を目指す自民党の西田昭二 候補。

自民党・西田昭二 候補
「しっかりがんばりますので。自民党でないと復旧はできないと思っていますので」

この日、西田候補が訪れた輪島市は過去に相手候補を大きく上回る票を獲得してきた地域です。
環境が大きく変わってしまった支援者の声を聞いていきます。

自民党・西田昭二 候補:
「皆さん方のふるさとを取り戻し、再生し、創造的復興の中で皆さん方の子や孫へしっかりとつなぐ役割を果たさせていただきたいと思っております」

被災地では仮設住宅に出向いて直接握手を繰り返すどぶ板選挙を徹底します。

自民党・西田昭二 候補:
「素直に皆さん方に接することが今の選挙の対応の仕方なのかなと思っております。いくら自然災害とはいえども、どこにもぶつけることができないこの気持ち。それも含めて私ども政治家は受け止めなければならないと思っております」

その前日、立憲民主党の近藤和也 候補は同じ輪島市内に入っていました。

立憲民主党・近藤和也 候補:
「最初、入れたときにうれしくてもね。いざ入って慣れたらちょっと狭いなぁとかありますよね」

過去2回接戦に敗れて比例復活し今度こそと選挙区での勝利を目指します。

立憲民主党・近藤和也 候補:
「北信越の比例じゃなくて、石川3区の代弁者として、私を国会の場に立たせていただいたら、もっともっと発言力を増しますので、何とか私に力を貸していただいて、今度は皆様のお力になれるように頑張らせていただきたい」

被災地に配慮してタスキをはずして遊説を行う近藤候補。復旧の最中で解散総選挙に踏み切った政府の対応を批判します。

立憲民主党・近藤和也 候補:
「つらいですけども、戦いですからお願いしますと言わなければいけなかったので、本当にそれでよかったのかなと今でも少し葛藤しています。この選挙を1日も早く終わらせて、そして復旧復興のこの政治の役割を果たしていきたい」

前回の選挙では西田候補と近藤候補の得票差は3900票余り。接戦を制した西田候補の得票を支えたのは奥能登4つの市町の票でした。住民の2次避難や投票所が被災し数が減るなど投票への影響が懸念されます。

こうした中、西田陣営を激励に訪れたのは旧派閥の領袖、岸田前首相です。西田候補の実績を訴え、政府へのいら立ちの声に理解を求めました。

岸田文雄 前首相:
「選挙どころではないという声があるということ、そのことは十分承知をしている。政府は皆さんが選挙で投票してくれることによって大きなエネルギーをいただくことになるわけであります」

66年間守ってきた能登の自民党の議席。築いてきた組織をフル稼働し票田の掘り起こしに掛かります。

自民党・宮下正博 選挙対策幹事長:
「厳しいなということは肌で感じていますし、一生懸命かほく市も掘り起こしに、市議を中心に頑張っていただいているので、少しでも挽回できれば」

一方、個人の政策を訴える近藤候補。全国的に広まる裏金問題の批判も追い風に票の囲い込みを図ります。

近藤候補の選挙カー:
「ありがとうございます。また議員として戻ってきて皆様に安心して暮らせるよう頑張らせてください」

復興がなかなか進まない現状での政府与党に対する不満の声を受け止めながら攻勢を強めます。

立憲民主党・岡野 定 選対本部長:
「何とか近藤にお願いします私どもで投票しやすい手段を提示しながら、確実に足を運んでいただくというのが戦術なのかなと。等しく県民に訴えていくこれまでの戦術通りということ」

能登の復旧・復興へ互いに負けられない戦い。陣営の訴えも日に日に熱さを増しています。

自民党・西田昭二 候補:
「能登半島の復旧復興、人生を掛けて、そしてまた様々な培った経験を生かして、このふるさとのために働くことをお誓いをさせていただきたい」

立憲民主党・近藤和也 候補:
「能登も大変だなと、もうちょっと皆さんは気持ちに寄り添っていこうよと、是非とも私に国会での発言力を与えていただきたいと思います」

一方、能登の声を国に届けるとマイクを握るのは共産党の新人・南 章治 候補です。復旧・復興に予備費を使った政府の対応を批判し、補正予算が必要と訴えます。

共産党・南 章治 候補:
「誰もが安心して避難生活を送ることができる体制を作っていくことが大事ではないでしょうか。県や国が本腰を入れた対策が求められます。日本共産党は被災者に寄り添って全力を尽くして頑張ります」

復興を目指す能登の未来を誰に託すのか…衆議院選挙の投開票は27日、行われます。

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