地下鉄サリン事件 緊迫の警察交信記録公開
20年前に起きた地下鉄サリン事件で、警視庁は発生直後からの緊迫したやりとりが収められた警察無線の交信記録を公開した。
これは警視庁に保管されていたテープで、事件発生直後から約73分間、通信指令本部と現場の警察官との交信が記録されている。
「八丁堀の駅、事務所までお願いします。病人2名。気持ち悪くなった者2名がいるそうです。異臭がして4名ぐらい病人が出たもようです」
「日比谷線において一連の事案が発生している。現在は詳細不明なるも、電車内、シンナーあるいはガソリンの臭い等が、病人等が発生しているもよう。目が見えない苦しがっている人がいる。この内容で駅員から入電。至急、日比谷線の小伝馬町に前進せよ」
「茅場町駅において棚に置いてあった新聞紙に包まれた濁った液体から、相当な悪臭がした」
1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件では、3路線の5つの車両で猛毒のサリンがまかれた。警察官や駅員らが命がけで対応に当たる一方、最終的に事件は死者13人、負傷者6000人以上に上る未曽有の惨事となった。