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厚生年金、中小企業にも順次拡大へ 改革案

2019年12月26日 5:38

厚生労働省は25日、年金制度の改革案をまとめた。パートで働く人などもその企業の社員と同様、厚生年金に加入できる制度を、中小企業にも順次広げることになる。

企業や店舗などで働く人のうち、パートなど短時間労働者は国民年金に加入してきたが、保険料を全額自分で負担する上、将来、受け取る年金額が国民年金分だけとなり、老後が安定しないと懸念が広がっている。

そのため現在の年金制度では、従業員501人以上の企業ではパートなどの短時間労働者も、週20時間以上働き、月収8万8000円以上で、学生でないなどの条件を満たせば、その企業の社員が加入する厚生年金に加入させることになっている。そうすると、その短時間労働者の年金保険料の半分は企業が負担し、将来、その人が受け取る年金額は国民年金の額に厚生年金分が上乗せされることから、老後の安定につながることが期待できる。

保険料負担が増えることから、中小企業はこの制度導入に後ろ向きだったが、この制度の対象となる企業をさらに増やすことが議論された結果、2022年10月には従業員101人以上の企業、2024年10月には51人以上の企業にも短時間労働者の厚生年金加入の制度が導入されることでまとまった。

これにより、65万人が新たに厚生年金に加入することが見込まれる。保険料がより多く集まるため、年金制度の安定にもつながるという。

一方、年金は65歳から受け取ることが基本だが、個人の希望に従って60歳から70歳までの間で年金を受け取り始める時期を選べる仕組みについて、60歳から75歳までの間で選べるよう、変更することになった。70歳代で働く人が増えている現状に即した形。

また、「在職老齢年金制度」では、60歳から64歳の人が働きながら年金を受け取る場合、年金と働いて得る収入の合計額が月に28万円を超えると年金を一定額減らすことになっているが、年金が減ると働く意欲がそがれると批判があったことから、年金を減らす基準を「月47万円を超える場合」に変更することになった。

厚労省は、また、医療保険についても制度改正の案をまとめ、パートなど短時間労働者をその企業の医療保険に加入させる制度について、年金制度と同じスケジュールで制度の対象となる企業を段階的に広げ、2024年10月には従業員51人以上の企業にも導入することになった。

厚労省は、これらの改正案を来年3月に通常国会に提出するとしている。