【時系列でわかる④】72時間経過…住宅下敷きの80代救出(1月5日午前2時更新)
(※情報は随時、更新します)
【4日 6:11】安否不明者52人の氏名公表 石川県
能登半島地震に巻き込まれた可能性があり、石川県輪島市・穴水町・珠洲市に住んでいたとみられる人で、行方が分からなくなっている人が52人に増加しました。
52人の中には転居などで連絡が取れなくなっている人もいる可能性があるとして、県が情報の提供を呼び掛けています。石川県は、ほかの自治体で安否が分かっていない人についても、今後、調整ができ次第、公表していくとしています。
能登半島地震の救助・支援活動のため海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が海上から重機などの輸送を開始しました。
海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」は、ブルドーザーなどの重機9両や食料などの救援物資を搭載し、輪島市大川浜の沖合に到着しました。
4日午前9時すぎから水陸両用の大型ホーバークラフトで重機などを海岸まで運んでいます。
揚陸された重機は道路を整備しながら能登半島を南下し、救助・支援活動のため輪島市に向かうということです。
生存率が著しく低下するとされる72時間が迫る中、懸命の救助活動が続いています。岸田首相は、非常災害対策本部で救命活動に全力をあげる考えを強調しました。
岸田首相
「大変厳しい現場であると承知しておりますが、命を守る観点から重要な、被災72時間が経過する本日夕刻までに現場の総力をあげて、1人でも多くの方を救命救助できるよう、全力で取り組んでください」
岸田首相はまた、「道路が寸断している所についてあらゆる手段を尽くして確認、救助を行うようお願いしたい」と指示しました。
さらに、避難が長期化する可能性も踏まえ「避難所に多くの物資を届けるため、道路の復旧など輸送面の課題の早期解消を目指してほしい」と述べました。
石川県内の死者は78人にまで増えています。生存率が著しく低下するとされる72時間が迫る中、懸命の救助活動が続いています。
輪島市では、これまでに県内最多となる44人の死亡が確認されています。県によりますと、ここ輪島市内には少なくとも10人の安否不明者がいるということです。
生存率が著しく低下するとされる72時間まで残り5時間を切り、4日午前中には、他県警が崩れてしまった建物に取り残された人がいないかなど一軒一軒確認していました。
また、物資の不足も課題となっています。市内にはおよそ1万1000人が避難所に身を寄せていて、県によりますと3日時点で物資は2000食分しかないということです。
こうした中、輪島市役所に4日朝、自衛隊の給水車がはじめて到着。およそ1000リットルがわずか1時間でなくなってしまったといいます。また、午前中に取材した際には、市内の足湯施設で使う井戸水をくみ上げ生活用水に使うという男性もいました。
こうした状況を受けて自衛隊は4日、市内5か所に物資を届ける予定だということです。
【4日 12:07】一部で断水続く富山県内 復旧に向け動き
震度5強を観測した富山・高岡市では、被災した建物が倒壊するおそれなどがないか確認する「応急危険度判定」が始まっています。市の職員らは調査を終えると判定結果を記した紙を建物に貼っていきました。
判定は3段階に分かれていて、赤色は危険とされた建物には立ち入らないように、黄色は要注意で立ち入りには十分注意する、そして緑の「調査済み」とされた建物は使用可能です。高岡市ではこれまでにおよそ80棟の住宅被害が確認されています。
氷見市では地震によって断水が続き利用できない保育施設があります。 このため4日から系列の別の施設で子どもたちを受け入れています。4日は閉鎖になっている2つの園から18人が利用しているということです。
氷見市では一部で復旧したものの、依然およそ1万世帯で断水が続いています。復旧のめどは立っていません。
日本銀行は能登半島地震を受け、金融機関に対し、被災者への対応などを要請しました。銀行各社は、通帳などをなくした場合でも預金の引き出しができるなどとしています。
4日、銀行業界の新年の会合で挨拶した日銀の植田総裁は、新潟県、富山県、石川県、福井県の地震の被災者について、例えば通帳を紛失した場合でも、預金の払い戻しに応じるといった金融上の措置を講じるよう金融機関に要請したことを明らかにしました。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3社は、預金通帳や印鑑を地震で紛失した場合でも、本人であることを確認できる資料があれば、預金の支払いを行うとしています。
また、定期預金などの満期日前の払い戻しなどについても、必要があれば銀行に相談するよう呼びかけています。
【4日 16:40】石川・志賀町 断水続き…高齢者多く不安も
志賀町の富来(とぎ)という地区の避難所では、およそ200人が身を寄せています。
地震から4日目を迎え、日中は一度自宅へ戻り、片づけをする人たちの姿がありました。ただ、この地域は高齢者の1人暮らしが多く、片づけが思うように進まないため、とにかく人手がほしいといった声が多く聞かれました。
県によりますと、志賀町は4日朝の時点で8800世帯ほどが断水していて、地震も続いていることから、夜は避難所へ戻り、身を寄せ合って不安な日々を過ごしています。
給水所には朝から水を汲みにくる人が多くいました。トイレが使えないため、雨水をためてトイレに使っているという人も多くいるそうです。
「発災から72時間」を過ぎた4日午後4時28分、救助派遣で訪れていた大阪市消防局が倒壊した住宅から80代の女性を救出し、動画を公開しました。
大阪市消防局は消防庁からの派遣要請を受け、石川県能登地方への緊急消防援助隊として、42隊170人の隊員を現地に派遣しています(4日時点)。
4日午後、輪島市の2階建ての住宅で、倒壊した1階部分の下敷きになっていた住人の80代女性を発見し、生存率が大幅に低下するとされる「発災から72時間」を過ぎた午後4時28分に女性を救出したということです。
女性は意識があり、市内の病院へ搬送されましたが命に別条はないということです。
【4日 22:11】石川県の死者84人に…安否不明は179人
能登半島地震による石川県内での死者は午後3時現在、84人。安否不明の人は午後6時現在、179人となりました。能登地区では水不足が深刻です。
石川県によりますと、輪島市や珠洲市など能登地区の市や町で、死者や安否不明者の数が増えてきています。
金沢市の石川県産業展示館には全国から送られた水や食料などの支援物資が集まっていて、県の職員や自衛隊員らによってトラックに積み込まれ、被災地に届けられます。