特別天然記念物の保護にクラウドファンディングを活用 特別天然記念物・オオサンショウウオが生息する環境を次世代へ 三重・名張市
市内の河川には「特別天然記念物」に指定されているオオサンショウウオの“在来種”が多く生息していますが、食用として持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオと在来種との交雑が進み、在来種の存続が危ぶまれています。
そこで市は、在来種を守るため2013年に保護活動を開始。河川で捕獲したオオサンショウウオのDNA鑑定を行い、在来種は自然に戻し、交雑種は名張市郷土資料館のプールに隔離してきました。現在、プールには約150匹の交雑種が飼育されています。
市の担当者によると、こうした活動により新たに捕獲した交雑種が小型化するなど、一定の成果は見られたものの、物価上昇の影響などで年々経費が上がっていく中、市の財政は厳しく予算が増えない状況が続き、成果も縮小してきたことから、今回初めてクラウドファンディングの活用を決断したということです。
目標金額は100万円で、集まった資金は、オオサンショウウオの調査や捕獲、DNA鑑定、保護池で飼育している交雑種の餌代などに使用される予定です。
返礼品には、オオサンショウウオのクッキーやTシャツ、保護池のバックヤード体験などが用意されています。「購入型」のクラウドファンディングのため、名張市民も返礼品を受け取ることが可能です。
オオサンショウウオが生息する環境を次世代に残していくためには、長期的な活動が必要であることから、担当者は「12年も継続してきた活動。今後も成果を上げ続けていくために、みなさんのご協力をお願いしたい」と呼びかけています。
クラウドファンディングの募集期間は2月27日までとなっています。