子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定
政府は少子化対策を拡充する子ども・子育て支援法などの改正案を閣議決定しました。
改正法案は政府が去年12月に閣議決定した、こども未来戦略に示された総額3兆6000億円の加速化プランを実現するためのものです。
具体的には、▼ことし10月から児童手当を所得制限なく、高校生年代まで延長 ▼10万円の出産・子育て応援給付金の恒久化 ▼親の就労にかかわらず月に一定時間まで保育園などを利用できる、こども誰でも通園制度の創設 ▼児童扶養手当の第3子以降の加算額の引き上げ ▼両親が共に育休を取得する場合の給付を、手取りで10割相当まで引き上げる、などが盛り込まれています。
また、こうした政策を支える新たな財源として「子ども・子育て支援金制度」を創設することも明記されました。
支援金は、公的医療保険料に上乗せして徴収するもので、▼2026年度 6000億円 ▼2027年度 8000億円 ▼2028年度 1兆円と段階的に拡大し、医療保険の種類や所得によって納める額が異なりますが、政府は国民1人あたりの負担額は粗い試算で▼2026年度 300円弱 ▼2027年度 400円弱 ▼2028年度 500円弱だと説明しています。
この支援金は現役世代だけでなく、企業が全体のおよそ4割、後期高齢者も約8%を負担することから、全世代、全経済主体が子育て世帯を支える仕組みだと説明しています。
野党などから批判も出ていますが、加藤こども政策担当相は閣議後の記者会見で、支援金について「歳出改革等により、全体として実質的な負担が生じないようにする」とした上で、「将来の我が国、地域社会を支える子ども・子育て世帯を全世代、全経済主体が応援していくという考え方を、多くの皆さまにご理解をいただけるよう、この法案の成立に向けて努力をしていきたい」と述べました。