【能登半島地震】小さな海底生物が急減 硫化物影響か
能登半島地震で地滑りが起きたとみられる富山湾の海底環境が、大きく変化していたことが県水産研究所の分析で分かりました。
県水産研究所は、海上保安庁や富山大学などと共同で研究した結果、定置網の破損箇所などから確認する限り、地滑りはおよそ50か所で起きていたとみています。
富山湾全域の74地点で海底の堆積物を調べた結果、浅い海底にある粗い粒の砂が海底谷で新たに堆積していることが分かりました。
また、生物のすみにくさを表す硫化物の濃度が、地震後は庄川・小矢部川河口沖や神通川河口沖で急増していることを確認。
地滑りにより海底の深い層の堆積物が露出して 高濃度の硫化物が検出されたとみています。
さらに、重さ1ミリグラム未満の小さな海底生物=マクロベントスを確認できない地点が地震前はほとんどなかったのに、地震後は9地点あり、このうち一部は粗い砂や高濃度の硫化物を確認した地点と重なっていました。
これらのことから、県水産研究所は地滑りの影響とみられる海底の生息環境の変化を確認できたとしていて、今後も調査を続け、回復過程を調べたいとしています。